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オンセミの低電力資産タグ、産業用資産管理で比類のない5年間の電池寿命を実現

2021.9.16  4:34 pm

オンセミの低電力資産タグ、産業用資産管理で比類のない5年間の電池寿命を実現

Bluetooth® Low Energy 技術に対応したデザインプラットフォームが、Quuppa® リアルタイム・ローカリゼーション・サービス(RTLS)を提供

インテリジェントなパワーおよびセンシング技術のリーディング・サプライヤであるオンセミ(本社 米国アリゾナ州フェニックス)は、資産追跡タグの開発における主要な課題を克服する新しいシステムソリューションを発表しました。電池寿命は、特にメンテナンスの手間や関連コストの削減が重要視される産業分野において、資産(アセット)タグの採用の大きな障害となっています。これまでの資産追跡タグやビーコンの電池寿命は、せいぜい1年、あるいは数ヶ月程度が一般的でしたが、RSL10アセットタグは、業界でも類を見ない最長5年の電池寿命を実現しています。
    
この画期的な電池寿命は、RSL10 Bluetooth® 5無線SoCの低消費電力化と、ファームウェアレベルでの機能強化によって実現しています。このプラットフォームには、RSL10に加えて、3軸加速度センサと環境センサ(動き、圧力、温度)が搭載されており、資産の環境、状態、方向に関する貴重なデータと洞察を提供します。各センサの電源は、RSL10が制御する専用のMOSFETロードスイッチから供給されます。この設計により、システム全体の消費電力をセンサごとに制御でき、総消費電力の削減が可能になります。このプラットフォームのその他の特徴としては、低コストのアンテナ、Bluetooth Low Energy伝送に最適化されたマッチング回路、多目的ドームスイッチ、アプリケーションのニーズに応じて取り外し可能な10ピンのデバッガなどがあります。
    
RSL10は最近、病院内の機器を追跡・監視し、医療従事者に実用的な情報を提供するために設計された屋内型のローカリゼーション・ビーコンに採用されました。IoTソリューションプロバイダのBlyott社と、Bluetooth LEタグおよびビーコンのマーケットリーダーであるTatwah社が、このデバイスを開発しました。 Blyott社がTatwah社のRSL10ベースのビーコンを選択した理由は、その小型のフォームファクタと、超低消費電力性能、厳しい滅菌要件を満たすことができるIP67タグの能力です。
   
Blyott 社の CEO 兼共同設立者である Gery Pollett 氏は、次のように述べています。
「オンセミは、Bluetooth ベースの RTLS ソリューションを開発するための理想的なハードウェアプラットフォームを提供してくれました。RSL10を使うことで、ヘルスケア業界の厳しいニーズに応えることができました。特にRSL10無線機のエネルギー効率の高さには感銘を受けました」
    
RSL10アセットタグは、Bluetooth® Low-EnergyコネクティビティやQuuppa Intelligent Locating System™ リアルタイム・ローカリゼーション・サービス(Real Time Localization Services 、RTLS)を含む、マルチプロトコル無線をサポートする包括的な開発ツール群とともに提供されます。オンセミは、評価ボードに同梱されているCMSIS-Packの中で、資産追跡のユースケースにおける本プラットフォームの超低消費電力性能を実証するカスタムアプリケーションを開発しました。
    
Quuppa社でシニア・カスタマーマネージャを務めるSanttu Pulli氏は、次のように述べています。
「RSL10を搭載した次世代のBluetooth LEタグにより、Quuppaのパートナーは、これまでにない長い電池寿命で、高精度なセンサによる位置情報を活用できるようになります。リアルタイムでの資産の可視化とそれに伴う生産性の最適化は、製造、倉庫、物流分野の企業にとって重要な競争力となるでしょう。これは始まりに過ぎません。可能性は無限です」

オンセミの低電力資産タグ、産業用資産管理で比類のない5年間の電池寿命を実現