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横田英史の読書コーナー

情報生産者になる

上野 千鶴子、ちくま新書

2018.11.22  9:40 am

 情報発信能力を身につけるための手順を具体的に解説した書。梅棹忠夫の名著「知的生産の技術」に通じる役立ち感のある著書である。筆者の東京大学や立教セカンドステージ大学での教育(指導)経験に基づいているだけに説得力がある。情報発信を生業とする評者と共通点も多く、納得できる内容である。

 本書の対象は「論文」だが、価値ある情報を生産し対外的に発信しなければならないビジネスパーソンにとって、読んで損はない。オリジナルの問いの立てて、一次データの収集し、そのデータに分析を加えてアウトプットする。情報整理における京大カードやKJ法(KJカード)の使い方など、一連のプロセスを丁寧に説明している。

書籍情報

情報生産者になる

上野 千鶴子、ちくま新書、p.381、¥994

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。