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横田英史の読書コーナー

黒幕~巨大企業とマスコミがすがった「裏社会の案内人」~

伊藤博敏、小学館

2015.2.18  10:25 am

 表社会と裏社会の接点として活動した、情報誌『現代産業情報』発行人・石原俊介に焦点を当てた評伝。企業や総会屋、暴力団、右翼、政治家、警察、マスコミの間を縦横に動き、情報を基に彼らを操った毀誉褒貶の激しい人生を丹念に追っている。“兜町の石原”がどのように情報を入手し、それをどのように活用したのかを詳細に記述する。人脈作りには凄みがある。
 本書を読むと戦後の経済事件のほどんどに石原が何らかの形でかかわっていることが分かる。例えばリクルート事件、イトマン事件、東京佐川事件、ゼネコン疑惑、総会屋利益供与時間、損失補てん事件、武富士事件などだ。こうした事件に直接的・間接的に関与しながら、同時に情報誌『現代産業情報』に記事を執筆する。利益相反ともいえる行為だが、そういった危うい世界を石原は歩き続ける。日本社会の裏面を知ることができる貴重な書に仕上がっている。

書籍情報

黒幕~巨大企業とマスコミがすがった「裏社会の案内人」~

伊藤博敏、小学館、p.317、¥1944

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。