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横田英史の読書コーナー

天人~深代惇郎と新聞の時代~

後藤正治、講談社

2014.12.2  3:15 pm

 天声人語を執筆し、名コラムニストと呼ばれている深代惇郎の記者人生を追ったノンフィクション。天声人語といえば深代の名前を思い浮かべる方も多いのではないか。しかし46歳の若さで白血病で急死した深代が筆を執ったのは1973年からの3年弱でしかない。それにもかかわらず天声人語の代名詞となり、その名文は今も語り継がれる。元記者の評者としては、深代は人物像を知りたいジャーナリストの一人だった。天声人語を毎日書き続けるプレッシャーは想像するに余りある。その精神力には驚く。

 本書は万人向けの書とは言いがたいが、マスメディアとはなにか、朝日新聞とは何かを考えるには格好の1冊といえる。ちなみに「深代惇郎の天声人語」は現在絶版であり、古本にはAmazonで高値が付いている。

書籍情報

天人~深代惇郎と新聞の時代~

後藤正治、講談社、p.374、¥1944

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。