Electronics Information Service

組込みシステム技術者向け
オンライン・マガジン

MENU

SOLUTION

インフィニオンが業界初のLPDDRフラッシュメモリを発表

2023.5.11  7:44 pm

インフィニオンが業界初のLPDDRフラッシュメモリを発表

次世代自動車のE/Eアーキテクチャを実現

インフィニオン テクノロジーズは、次世代自動車のE/Eアーキテクチャを可能にする業界初のLPDDR (Low-Power Double Data Rate) インターフェースのNORフラッシュ、SEMPER™ X1を発表しました。
本製品は、車載用ドメインおよびゾーン コントローラーに不可欠な安全で信頼性の高いリアルタイム コード実行を可能にします。また、このデバイスは現行のNORフラッシュメモリの8倍のスループット性能を実現し、リアルタイム アプリケーション向けには20倍のランダム リード トランザクションが可能です。これにより、ソフトウェア定義型車両は、安全性とアーキテクチャの柔軟性を高めた高度な機能を実現することができます。
      
次世代自動車では、高度な安全性と信頼性に加え、知能、コネクティビティ、複雑性が高まっており、最新の高度な製造プロセスで開発されたマルチコアプロセッサーが必要とされています。これらの最先端の製造プロセスでは、より大容量の組み込み型不揮発性メモリを使用することは、費用面で望ましい選択肢ではなく、システムアーキテクトはコードストレージに外部NORを使用することを検討する必要があります。
しかし、このような複雑な車載用リアルタイムプロセッサーには、市場で入手可能なメモリよりも高い性能が求められます。このニーズに応えるため、3.2 GBytes/secで動作するLPDDR4インターフェースと、ドメインおよびゾーンのコントローラーの性能および容量の要件を満たすマルチバンク アーキテクチャを備えたSEMPER™ X1を開発しました。
      
半導体市場調査会社Objective Analysisのジェネラル ディレクターであるジム ハンディ (Jim Handy)氏は「半自動運転車やより高度なエンジン制御を目指す中で、車両とドライバーのディペンダビリティと安全性にはリアルタイムの判断が欠かせません。インフィニオンのLPDDRフラッシュ メモリは、次世代自動車におけるこれらのニーズにうまく対応し、リアルタイムの実行環境 (XiP) メモリを提供し、プロセッサから独立してスケーリングすることができるようになります。この不揮発性メモリの新しいカテゴリーに拍手を贈るとともに、この分野でエコシステムが発展することを期待しています」と述べています。
      
インフィニオン テクノロジーズ フラッシュ ソリューションズ、マーケティング&アプリケーション担当バイス プレジデントであるサンディープ クリシュネゴウダ (Sandeep Krishnegowda)は「我々は、SEMPER™ X1 LPDDRフラッシュを発表し、ゾーン コントローラー向けの安全で信頼できるリアルタイムフラッシュに有望な未来を見出すことができたことを嬉しく思います。車載用NORフラッシュメモリのマーケットリーダーとして、業界パートナーと協力してメモリの標準化を推進し、より幅広い市場に投入したいと思っています」と述べています。
        
・SEMPER™ X1 LPDDRフラッシュについて
SEMPER™ X1は業界初のLPDDRフラッシュメモリです。セーフティクリティカルなリアルタイムアプリケーションを実行する次世代自動車用ドメインおよびゾーン コントローラーに最適です。また、LPDDRインターフェースにより最大3.2 GBytes/secのスループットを実現し、リアルタイムのコード実行のためのランダムリードトランザクションができます。マルチバンク アーキテクチャを採用し、ダウンタイムゼロのOTA (over-the-air) でのファームウェアのアップデートをサポートします。ISO 26262 ASIL-Bに準拠し、高度なエラー訂正機能などの安全機能を備えています。
        
詳細
www.infineon.com/semper-x1-lpddr-flash