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STマイクロエレクトロニクスが次世代の超低消費電力システムの幅広い電力測定を可能にするSTM32用プログラミング / デバッグ・プローブを発表

2023.4.12  6:08 pm

STマイクロエレクトロニクスが次世代の超低消費電力システムの幅広い電力測定を可能にするSTM32用プログラミング / デバッグ・プローブを発表

STマイクロエレクトロニクスは、高精度の電力測定が可能な新しいインサーキット・デバッグ / プログラミング・プローブ「STLINK-V3PWR」を発表しました。同製品は、STM32マイクロコントローラ(マイコン)で動作するアプリケーションに最適です。
     
幅広いダイナミック・レンジを備えているため、消費電力が重視されるIoT機器やワイヤレス機器などの開発に対応でき、nAレベルから500mAまでの電流を最大±0.5%の精度で測定することができます。また、USBケーブル1本で測定対象のシステムに最大2Aの電流を供給できるため、開発ボードへの電源供給用の別電源が不要になります。
      
STLINK-V3PWRは、グラフィック・ツール「STM32CubeMonitor-Power」で直接サポートされており、システムの消費電力をリアルタイムで可視化して、設計変更による電力効率の改善効果を解析できます。また、Arm(R) Keil(R)開発ツールとIAR社の統合開発環境(IDE)にも対応しているため、コードの実行と消費電力の測定を同期させることで、電力プロファイルを最適化することができます。
     
Arm社の組込み技術担当シニア・ディレクターであるReinhard Keil氏は、次のようにコメントしています。
「超低消費電力マイコンを使ったシステムは、エナジー・ハーベスティング(環境発電)を使用でき、バッテリで何年間も動作しますが、設計の小さな誤りによって、電源に関する予期せぬ問題が生じることがあります。新しいSTLINK-V3PWRプローブは、Keil MDKを使用した電力プロファイリングが可能です。µVisionデバッガでプログラム・イベントと消費電力の相関を取ることで、解析によって設計ミスの可能性を特定し、バッテリ駆動時間を大幅に延長できます。」
      
IAR社の最高技術責任者(CTO)であるAnders Holmberg氏は、次のようにコメントしています。
「STLINK-V3PWRプローブをサポートするIAR Embedded Workbench for Armにより、精度と再現性に優れた高分解能の電力解析を迅速かつ容易に利用できます。超低消費電力、超高効率の次世代スマートIoT機器において、さらなる省電力化と高効率化を実現すると同時に、製品開発期間の大幅な短縮が可能です。」
     
STLINK-V3PWRと組み合わせることで、消費電力が重視される組込み機器向けの開発ツールキットをさらに強化できるのが、「STM32 Power Shield(X-NUCLEO-LPM01A)」です。100nA〜50mAの動的な電流測定を可能にするプログラマブルな電源ソースであるSTM32 Power Shieldは、通常、超低消費電力STM32マイコンで動作するアプリケーションの解析に使用されます。また、「STM32L562E-DK」開発キットの中間ボードの電力メータは、300nA〜150mAの動的な電流を測定できます。STM32CubeMonitor-Powerは、これらの製品から電力測定データを取得し、リアルタイムでのデータのレンダリングと取得パラメータのアップデートが可能です。
      
STLINK-V3PWRはプログラミング / デバッグ・プローブとしてシングル・ワイヤ・デバッグ(SWD)インタフェースも備えており、アプリケーション・ボード上のSTM32マイコンと通信することができます。
仮想COMポート・インタフェースとマルチパス・ブリッジも搭載しているため、SPI/UART/I2C/CAN/GPIO通信によるホストPCとマイコンの通信が可能で、現場でのファームウェア更新と電力測定テストが簡略化されます。
       
詳細
https://www.st.com/ja/development-tools/stlink-v3pwr.html