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STマイクロエレクトロニクスが優れたグラフィックスと小型化を実現する超低消費電力STM32*マイコンを発表

2024.1.31  5:43 pm

STマイクロエレクトロニクスが優れたグラフィックスと小型化を実現する超低消費電力STM32*マイコンを発表

ベクタ・グラフィックス・アクセラレータを備えた新しいSTM32U5マイコンにビデオ・ストレージ用の大容量SRAMを集積

STマイクロエレクトロニクスは、超低消費電力STM32U5マイクロコントローラ(マイコン)に、専用グラフィックス・アクセラレータを備えた新製品「STM32U5F9/G9」および「STM32U5F7/G7」を追加しました。これらの製品は、小型かつコストが重視される製品において、ユーザ体験の向上に貢献します。また、3MBのSRAMを内蔵しており、外部メモリ無しでグラフィックス・ディスプレイ向けのフレーム・バッファを複数保存することができます。STのGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)「NeoChromVG」も搭載しているため、一般的に高コストかつハイエンドのマイクロプロセッサが求められるグラフィック効果を処理することができます。
        
NeoChromVGを内蔵した「STM32U5F9/G9」および「STM32U5F7/G7」は、ハードウェアのアクセラレータ回路によってベクトル演算を行う初のSTM32マイコンで、SVGおよびベクタ・フォントのレンダリングに最適です。専用GPUにより、回転やアルファ・ブレンディング、テクスチャ・マッピングといったハイエンドな効果を正確な視点や遠近法で実現できるとともに、MJPEG(モーションJPEG)動画を処理するJPEGコーデックも搭載されています。これらの機能により、スマート家電、スマート・ホーム・コントローラ、電動自転車、および産業機器の開発において、アニメーション効果を付けたロゴや、さまざまなフォント・サイズ、ズーム可能マップ、ビデオ再生などの技術を活用することができます。両製品ともに、魅力的かつおもしろく、簡単で使いやすい次世代製品の開発に貢献します。
       
先進的な集積技術と大容量RAMにより、外部メモリ無しで高性能のグラフィックス・サブシステムを構築できるため、基板面積の小型化に貢献します。また、外部メモリとの高速信号通信用のPINも不要です。3MBのSRAMに加えて4MBのFlashメモリも内蔵されており、コードとデータを格納するための不揮発性ストレージを豊富に備えています。
       
「STM32U5F9/G9」および「STM32U5F7/G7」には、低コストの100ピンQFP(クワッド・フラット・パッケージ)から、最大でTFBGAパッケージ(216ピン)のパッケージ・オプションが提供されています。パッケージ内にすべての回路が集積されているため、シンプルな4層基板設計が可能になり、信号の引き回しと電磁両立性(EMC)に関連する一般的な開発課題の回避に貢献します。STはこのアプローチを、新しいSTM32U5マイコン専用のグラフィックス開発キット「STM32U5G9J-DK2」で実証済みです。同キットをハードウェア・リファレンス設計として使用することで、開発期間の短縮が可能です。
     
STの認定パートナー企業であるRiverdi社は、すでにSTM32U5F9/G9マイコンを使用して、高度なグラフィックスを備えた新製品を開発しています。Riverdi社の共同最高経営責任者(Co-CEO)であるKamil Kozlowski氏は、次のようにコメントしています。
「高度なグラフィックス機能を備えた、1チップで低コストのSTM32U5F9/G9マイコンにより、当社は5インチ・ディスプレイ・モジュールを魅力ある価格で発売することができました。これは、独自設計で魅力的なカスタム・ユーザ・インタフェースを開発する機器メーカーに最適なオール・イン・ワンのディスプレイ・ソリューションです。STM32U5F9/G9をベースとした当社の新しい組込みディスプレイは、STの組込みGUI設計ツール『TouchGFX』に完全対応しているため、すぐに独自UIの開発を開始できます。」
      
超低消費電力STM32U5シリーズに加わった新しいマイコンは、先進的で高効率のArm® Cortex®-M33プロセッサを搭載し、最大240 DMIPS(160MHz)および464 ULPMark-CoreProfile(CP)を実現します。200nAのスタンバイ・モードと複数のSTOPモード(RAMの内容を一部保持し、高速ウェイクアップ機能に対応)を備え、動作モードでは高効率動作(16µA/MHz)が可能なため、より柔軟に消費電力と性能のバランスを最適化できます。
       
また、開発者は、実績あるSTM32のペリフェラルおよびIoTハードウェア・セキュリティ機能に加え、ソフトウェア・ツールやミドルウェア、ライブラリ、コード・サンプルを含むSTM23Cube開発エコシステムを活用できます。
       
STマイクロエレクトロニクス
http://www.st.com