Electronics Information Service

組込みシステム技術者向け
オンライン・マガジン

MENU

SOLUTION

サイバートラストがRISC-V対応の高速起動ソリューションとTuxeraの高信頼性ファイルシステムを連携して提供開始

2022.11.15  6:44 pm

次世代IoTシステムの高信頼性、高可用性実現に向けて連携

サイバートラスト株式会社(東京都港区)は、世界をリードするストレージ管理ソフトウェアおよびネットワークテクノロジー企業であるフィンランドの Tuxera, Inc.(タクセラ)の日本法人、Tuxera Japan 株式会社(神奈川県横浜市、以下Tuxera)、およびサイバートラストグループのリネオソリューションズ株式会社(以下、リネオ)と高信頼性、高可用性の次世代IoTシステムのソリューション提供に向けて連携したことを発表します。3社の連携により、リネオが提供する組込み Linux®/Android™ 機器向けの高速起動ソリューション「LINEOWarp!!(以下、Warp!!)」とTuxera製品を組み合わせることで、産業機器・車載機器・医療機器・コンシューマー機器などの起動の高速化と待機時の電力消費の削減を実現しました。本ソリューションはサイバートラストより提供します。
      
<背景>
普及が進むとともに多機能化し大量のデータを扱うIoT機器では、膨大なデータを安全かつ効率的に管理・運用すると同時に、ユーザビリティや省電力性、信頼性が求められます。
従来のフラッシュメモリーなどのストレージ機器の耐久性やファイルシステムの可用性の限界があり、予期せぬ電源断などでのデータの消失への対策や、ストレージの長命化が必要になります。合わせて、起動の高速化は常に求められる要件となっています。また次世代のIoT機器に向けては、ハードウェアプラットフォームのオープン化が進んでおり、RISC-V ※1 プロセッサーアーキクチャの普及が予測されています。
      
このたびのパートナーシップでは、自動車、産業機器、医療機器や、コンシューマー機器などでIoT化が進む機器に多用されるLinux/Androidの高速起動ソリューションであるWarp!!と、Tuxeraの高信頼性ファイルシステムを連携し最適化しました。Tuxeraのファイルシステムは、書き込み中にストレージ抜き出しや電源断が発生してもファイルシステムに破損が発生しない電源断耐性があります。Warp!!とTuxeraファイルシステムの組み合わせにより、複合機や車載機器をはじめとする電源ON/OFFを繰り返すシステムにおいて、瞬電時のデータ破損などのリスク軽減と、フラッシュメモリーのリード/ライトの耐久性を向上させつつ、起動の高速化・低消費電力化したシステムを実現しました。同時に、組込みプロセッサとして普及が予測されるRISC-Vアーキテクチャへの対応をいち早く実現しました。
RISC-Vアーキテクチャのサポートを追加したWarp!!の最新バージョン(Version 6.0)において、RISC-VプロセッサーであるSiFIVE Freedom U740リファレンスボードにて実測し、通常起動より約76%(48秒)の起動時間短縮を達成しています。
               
サイバートラストは、IoT機器向けの長期サポート対応のLinux OSであるEMLinuxにおいても、RISC-V対応を計画しています。今後、脆弱性対応やSBOM対応を含めたセキュアなシステムの実現と、製品出荷後の長期サポートにより、サプライチェーンセキュリティへの対応を強化していきます。サイバートラストグループはTuxera製品の販売代理店としてTuxeraと連携し、今後高信頼性、可用性を併せ持った次世代IoTシステムのワンストップソリューション展開を国内外で目指します。
        
Tuxera Japan 株式会社 代表取締役 黒子 真佐志氏
「当社とサイバートラスト社は、2022年1月に当社の高信頼性ファイルシステムの販売代理店契約を締結し、両社の製品連携により家電製品などの電源断耐性によるデータの保護とフラッシュメモリーの寿命の最長化を実現してまいりました。このたび、リネオソリューションズ社の高速起動ソリューションと組み合わせることでTuxera製品の起動の高速化・低消費電力化を実現いたしました。今後もサイバートラストグループと連携し、次世代IoTシステムの高信頼性、高可用性実現と、製品開発における課題解決に貢献してまいります。」
       
・「EdgeTech+ 2022」出展について
2022年11月16日(水)から18日(金)までパシフィコ横浜で開催される「EdgeTech+ 2022」に、本ソリューションのデモを出展します。また、セキュアなエッジ AI コンピューティング環境の構築に最適なプラットフォーム「EM+PLS」をご紹介します。
出展ブース番号:C-K21(JASAパビリオンブース)
     
<展示会概要>
開催日時 2022年11月16日(水)- 2022年11月18日(金)10:00 - 17:00(17日(木)のみ 18:00 まで)
会場 パシフィコ横浜:展示ホール/アネックスホール
主催 一般社団法人 組込みシステム技術協会
来場方法 Webより事前登録のうえ、ご参加ください。
詳細 https://www.jasa.or.jp/expo/about/
      
・関連Webサイト
Tuxeraについて:https://www.tuxera.com/ja/
LINEOWarp!!について:https://www.cybertrust.co.jp/iot/fastboot/
      
※1 RISK-Vとは:コンピュータの命令セットアーキテクチャ(ISA:Instruction Set Architecture)のひとつ。「RISC-V Foundation」という非営利団体が管理し、ロイヤリティやライセンス料不要のオープンソースで提供されています。