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STマイクロエレクトロニクスとMACOM、RFアプリケーション向けGaN-on-Siの試作品で技術・性能のマイルストーンを達成

2022.5.31  3:35 pm

デバイスのコストおよび性能面の目標を達成し認定段階に移行、量産および供給体制の強化で大きく進捗

STマイクロエレクトロニクス(以下ST)と通信、産業機器、防衛産業、およびデータ・センター向け半導体製品の主要サプライヤであるMACOM Technology Solutions Holdings(以下MACOM)は、RFアプリケーション向けGaN-on-Si(ガン・オン・シリコン : シリコン・ウェハ上に形成した窒化ガリウム)の試作品の製造に成功したことを発表しました。両社は、この実績に基づき、引き続き協力関係を強化していく予定です。
       
RFアプリケーション向けGaN-on-Siは、5Gおよび6Gインフラに大きな可能性をもたらします。従来のRFパワー・アンプ(PA)では、長期にわたり、LDMOS(横方向拡散型MOS)が主要なRFパワー・テクノロジーとして採用されてきました。GaNは、LDMOSと比べて優れたRF特性および極めて高い出力を提供できるとともに、シリコンだけでなく、SiC(シリコン・カーバイド)ウェハ上にも形成することができます。GaN-on-SiC(SiCウェハ上に形成した窒素ガリウム)は、高出力アプリケーションとのSiCウェハ獲得競争の影響や、特殊な製造プロセスを要することから、高コストになる可能性があります。
      
一方、STとMACOMが開発中のGaN-on-Si技術は、標準的な製造プロセスに統合できるため、大規模なスケール・メリットによる低コスト化や、優れた性能の実現が期待されています。
      
今回STが製造した試作ウェハおよびデバイスは、既存のLDMOSおよびGaN-on-SiC技術に対し、高い競争力を発揮するためのコストならびに性能目標を達成しています。これらの試作品は現在、次の重要なマイルストーンである認定および製品化へと移行しています。STは、2022年内にこれらのマイルストーン達成を目指しています。また、このような進捗状況に伴い、STとMACOMは、先進的なGaN-on-Si製品の市場投入を加速させる取り組みの拡大に向けた協議を開始しました。
       
STのエグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 パワー・トランジスタ・サブグループジェネラル・マネージャであるEdoardo Merliは、次のようにコメントしています。
「私たちは、GaN-on-Si技術の性能とプロセス成熟度が、既存のLDMOSやGaN-on-SiCに対して効果的に競合できるレベルに達していると考えています。また、通信インフラをはじめとする量産アプリケーションにおいて、コストやサプライ・チェーンにおける高い優位性を提供することができるでしょう。MACOMとの協力における次の重要なマイルストーンであるRFアプリケーション向けGaN-on-Si技術の製品化に向けて前進し続けることで、GaN-on-Si技術が持つ大きな可能性を実現できることを楽しみにしています。」
       
MACOMの社長 兼 最高経営責任者(CEO)であるStephen G. Dalyは、次のようにコメントしています。
「MACOMとSTは、GaN-on-Si技術の製品化と量産に向けて、順調に前進し続けています。STとの協力関係は、当社のRFパワー事業の戦略の中でも重要な要素です。私は、GaN-on-Si技術が技術要件を満たすターゲット・アプリケーションにおいて、市場シェアを獲得できると確信しています。」
       
MACOMについて
MACOMは、通信、産業機器、防衛産業、およびデータ・センター業界向けの高性能半導体製品の設計と製造を行っています。RFおよびマイクロ波、ミリ波、光波の半導体製品の幅広いポートフォリオを通じて、年間6,000社以上の顧客にサービスを提供しています。MACOMは、IATF16949車載規格、ISO9001国際品質規格、およびISO14001環境管理規格の認証を取得しています。MACOMは、マサチューセッツ州ローウェル(米国)に本社を置き、ヨーロッパ、アジアに拠点を展開しています。
       
STマイクロエレクトロニクス
https://www.st.com