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バレンズセミコンダクターの半導体チップセットが、日本の自動車業界団体のJASPARによるMIPI A-PHY規格の認証完了

2022.12.7  6:05 pm

JASPARの適合性試験完了により、バレンズセミコンダクターの車載向けMIPI A-PHY準拠VA7000チップセットの認証がさらに進展

Valens Semiconductor(以下Valens)は一般社団法人JASPAR(Japan Automotive Software Platform and Architecture)がトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、デンソーなど日本の自動車関連企業とTier 1サプライヤ向けにMIPI A-PHY規格を正式に認証完了したと発表しました。これに先立ち、Valens SemiconductorのA-PHY準拠VA7000チップセットはJASPARの厳格な電磁両立性(EMC)試験に合格し、セーフティ・クリティカルな先進運転支援システム(ADAS)へのチップセット統合に向けた重要なマイルストーンを実現しました。
     
JASPARは自動車関連の新技術を日本全国に普及させることを目的に2004年に設立されました。JASPARは先進的な車載電子制御システムのソフトウェアやネットワークの標準化と共通利用により、開発の効率化と高信頼性確保に寄与しています。そのため、日本の自動車OEM企業とTier 1パートナーが参照できる共通仕様ガイドラインを提供しています。
    
JASPARはValens VA7031シリアライザとVA7044デシリアライザを対象に、誘導ノイズ、TEMセル、アンテナ照射、BCI、アンテナ照射レーダー帯域、無線デバイス、導電ノイズ、放射ノイズを含む包括的なEMC試験を実施しました。試験はJASPAR次世代高速LAN評価基準書Ver.3.0(ST-HN-3)に準拠しています。推奨回路仕様であるA-PHYはJASPARマルチギガ電気推奨回路仕様書Ver.1.0(ST-HN-10)として公開されています。
       
JASPARで次世代高速LANワーキング・グループ主査を務めるトヨタ自動車株式会社のグループ長である後藤英樹氏は「自動車会社が広帯域を必要とするセンサーを次世代ADASや自動運転システムに統合する中、EMCの重要性はますます高まっています」と述べ、さらに「JASPARのEMC試験により、MIPI A-PHYは電磁干渉に対し非常に耐性のある技術であることが示されました」と述べております。
       
バレンズセミコンダクターのSVP兼オートモーティブ責任者のGideon Kedemは「バレンズセミコンダクターでは超広帯域の長距離接続とこれまでにないEMC性能を兼備する独自の製品を開発したことを誇りに思っています」と述べ、さらに「JASPARの推奨はVA7000チップセットだけでなくMIPI A-PHY規格全体への承認への証であるといえます。試験に合格したことにより、日本だけでなく世界の自動車OEM企業がより自信を持って私たちの技術を使用し、脆弱でセーフティ・クリティカルなリンクを保護することができるようになりました。他のソリューションではEMC耐性を犠牲にせずに、業界でますます厳しくなる帯域幅要件に対応することができません。OEM企業におけるADASアーキテクチャの安全な強化を可能にするのはA-PHYのみです」と述べております。
       
MIPI A-PHYはMIPIアライアンスによって策定され、先進運転支援システム(ADAS)、自動運転システム(ADS)、社内車載インフォテインメント(IVI)ディスプレイ、その他のサラウンドセンサー・アプリケーション(カメラ、LiDAR、レーダーなど)を対象として初めて規格化された非対称長距離シリアライザ/デシリアライザ(SerDes)物理レイヤー仕様です。
       
自動車関連企業にこれまでにない帯域幅と長距離伝送を提供し、現在自動車に使用されている競合ソリューションよりも数桁低い10-19という業界最低水準のパケット・エラー・レート(PER)を実現します。Valens VA7000チップセットは市場で初めてA-PHY規格に準拠した製品です。
       
Valens Semiconductor
https://www.valens.com/