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ユーブロックスがIoTソリューションのテストおよび検証用フル機能のプラットフォームをリリース

2022.6.3  6:48 pm

スイスのu-blox AG(日本法人:ユーブロックスジャパン株式会社、東京港区)は、IoTアプリケーションのテスト、評価、検証のためのオールインワン・パッケージ、u-blox XPLR-IOT-1エクスプローラー・キットを発表しました。幅広いセンサーとインターフェイスおよびクラウド接続を搭載した高機能プロトタイピング・プラットフォームにユーブロックスのすべての関連技術とサービスを統合したXPLR-IOT-1は、IoTアプリケーションの可能性の追究をこれまでになく容易にします。
      
衛星測位、Bluetooth Low Energy、Wi-Fi、LTE-Mなどを介したセルラー通信を必要とすることも多いIoTデバイスは、複雑化の一途をたどっており、プロトタイプを作成して概念を検証してから製造に移すことが重要になってきています。このような傾向から、評価キット(EVK)よりも、製品の全機能を包括的にテストすることを目的としたu-blox XPLR-IOT-1のような多機能アプリケーション・ボードの需要が高まっています。

ユーブロックスがIoTソリューションのテストおよび検証用フル機能のプラットフォームをリリース

高機能プロトタイピング・プラットフォーム
XPLR-IOT-1は、物流コンテナ用トラッカー、産業オートメーション、センサークラウド・アプリケーション、車両運行管理ソリューションなど、低消費電力IoTユースケースのプロトタイプに必要なすべてを提供します。ボードのu-blox NORA-B106 Bluetooth LE 5.2無線モジュールは、メインMCUとして、アプリケーション・ソフトウェアをホストするとともに、他のモジュールを制御します。クラウド・セキュリティが組み込まれたLTE-MおよびNB-IoTセルラー通信用のu-blox SARA-R510S、2.4GHz Wi-Fi用のu-blox NINA-W156といったモジュールも搭載されています。
また、4つの全地球測位システム(GNSS)衛星群を同時に追跡できる超低消費電力のMAX-M10S測位モジュールも搭載しており、GNSSが利用可能な場所であればどこでも、極めて信頼性の高い測位データを提供します。
      
ハードウェアには、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、温度センサー、湿度センサー、圧力センサー、環境光センサーなど、IoTアプリケーションで一般的に使用される幅広いセンサーも搭載されています。電源スイッチ、LED、ユーザー・ボタンにより、デバイスの操作が簡単に行えるようになっています。
         
NORA-B106のパワフルなArm® Cortex® M33 MCUは、アプリケーション・ソフトウェア実行専用です。128MHzのクロック、1MBの組み込みフラッシュと512kBのRAM、および8MBの外部フラッシュ・メモリにより、極めて高機能なソリューションを開発するための強固な基盤を提供します。また、搭載されているすべての技術に対応する内蔵アンテナ、USBインターフェイスとUSB充電、Sparkfun Qwiic I2Cコネクタ、デバッグ・インターフェイスは、円滑な製品開発に有効です。
          
u-bloxサービスのネイティブ・サポート
XPLR-IOT-1を使用すれば、エンジニアはu-bloxサービスの利用を容易に開始することができます。キットには、MQTT-SN(センサー・ネットワーク向けMQTT)プロトコルを使用してデバイスとエンタープライズ間でデータを通信することにより超低消費電力を実現するMQTT Anywhereのトライアル版が付属しています。
貨物コンテナ用トラッカーなど、電力要件の極めて厳しい追跡アプリケーションでは、ユーブロックスのクラウド・サービスであるCloudLocateによって4倍のバッテリー寿命を実現し、モバイルネットワーク・ベースの位置情報サービスであるCellLocateによってGNSS信号の届かない場所にまで追跡範囲を拡張することができます。
        
商用最終製品の出発点
XPLR-IOT-1を使用する開発者は、主なユースケースに対応するソフトウェア例のライブラリであるユーブロックスのubxlib GitHubリポジトリのコードを利用し、ワイヤレス・センサー・ネットワークから屋内外の追跡ソリューション、産業用ゲートウェイやスマート・ビルディング向けのゲートウェイまで、幅広いソリューションのプロトタイプ作成を加速させることができます。ハードウェア設計ファイル、ソフトウェア、スマートフォン向けアプリケーション、オンライン・ダッシュボードのソース・コードはすべて共有されているため、XPLR-IOT-1を商用最終製品の設計の出発点としても利用できます。
       
「XPLR-IOT-1はIoTソリューションの迅速な開発、テスト、評価に焦点を絞っています。ひとつのプラットフォームでさまざまなIoTユースケースの開発を可能にするこの多用途エクスプローラー・キットは、ハードウェア、ソフトウェア、サービスの統合とコード開発に必要な専門知識を低減させます」と、ユーブロックスの近距離無線プロダクト・ストラテジー部門シニア・プリンシパルのPelle Svenssonは述べています。
XPLR-IOT-1は2022年6月に発売を開始し、当初はDigi-Key社を通じて販売される予定です。
        
ユーブロックス
www.u-blox.com