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イマジネーションのGPU、StarFiveが高性能・小型・低コストのBeagleV RISC-V AIシングル・ボード・コンピュータ実現のために採用

2021.2.24  3:07 pm

新コラボレーションが世界トップクラスのGPU性能と共にRISC-Vエコシステムを支援

英イマジネーション・テクノロジーズは、RISC-Vプロセッサ、プラットフォーム、ソリューションの業界大手プロバイダーであるStarFive社が、同社の最新RISC-Vシングル・ボード・コンピュータ(SBC)開発をサポートするため、IMG B-Seriesグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)IPのライセンスを取得したことを発表しました。イマジネーションのGPUは、すべてのプロセッサアーキテクチャで動作するように設計されています。今回の協業は、RISC-Vエコシステムの成長に貢献することが期待されます。
   
StarFiveは、2021年1月に発表した人工知能(AI)シングル・ボード・コンピュータ「BeagleV」の製品版に、強力かつ柔軟なグラフィックス性能をはじめ、シングル・ボード・コンピュータの機能を完璧にし、産業界が求めるコスト効率の高い相互目的のRISC-V開発ハードウェアに理想的なソリューションを提供するために、イマジネーションのGPUを搭載します。
   
BeagleVは、エッジコンピューティングで使用される世界初のRISC-V AIシングル・ボード・コンピュータで、Linuxオペレーティングシステム(OS)用にカスタマイズされ、最大周波数1.5GHzのマルチコアRISC-Vプロセッサを搭載した、StarFive社の自社開発AIビジョン処理システム・オン・チップ(SoC)「Jinghong 7100」を採用しています。BeagleVは、自社開発のNNEとISPを搭載しているだけでなく、VDSPとビデオデコーダ/エンコーダを搭載しており、小型、低コスト、低ノイズでありながら、現在のデスクトップコンピュータが持つスケーラブルな機能をすべて備えています。
BeagleV AIシングル・ボード・コンピュータは、LinuxとRISC-V双方をサポートすることにより、産業機械、データセンター、AI、エッジコンピューティングなどの分野の製品やプロジェクトに強力なソフトウェアとハードウェアを提供し、プロジェクトの開発期間や市場投入までの時間を短縮します。
   
StarFiveが、イマジネーションの最新世代IMG B-Series GPUシリーズコア「BXE-4-32」 GPU IPを選択したことにより、同製品はシングル・ボード・コンピュータとしてのパフォーマンス、サイズ、コスト面で十分な恩恵を提供します。B-Seriesは、イマジネーションのGPU IPにおける大きな進化であり、その高度なマルチコア・アーキテクチャにより、最大6 TFLOPSの演算能力を実現します。また、前世代製品と比較して、消費電力を最大30%、面積を25%、帯域幅を35%削減し、競合するIPコアと比較して最大2.5倍の高いフィルレートを実現しています。B-Seriesには、合計33種類の異なるコンフィギュレーションがあり、モバイル、コンシューマ、デスクトップ、サーバー、IoT、DTV、自動車などの複数の市場に向けて非常に幅広いオプションを提供します。
   
StarFiveでCEOを務めるThomas Xu氏は、次のように述べています。
「イマジネーション社のGPUは、優れた性能・電力・面積(PPA)を備えており、コストを最適化しながら強力な機能を提供することができます。今後もイマジネーション社と戦略的なコラボレーションを行い、両社の技術と製品の優位性を活用して、より完全なプロセッサエコシステムを構築し、RISC-V技術の継続的な開発を推進していきたいと考えています」
   
イマジネーションで中国担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるJames Liuは、次のように述べています。
「RISC-V技術、製品、ソリューションのリーダーとして、StarFive社は業界に自信と決意を示しています。RISC-Vシングル・ボード・コンピュータの開発と発売はその好例であり、イマジネーションのGPUがその中で重要な役割を果たしていることを大変嬉しく思っています。今後もStarFive社と協力して、より革新的で最先端の製品を開発し、RISC-Vのエコシステムをサポートしていきたいと考えています」