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横田英史の読書コーナー

日本の半導体戦略と電子地政学2024を読む

田胡治之編、ソハコ出版局

2024.2.4  2:13 pm

 RISC-Vや半導体開発のオープン化、各国の半導体政策など、半導体産業の動きをまとめた書。米国のCHIPS法の解説、RISC-Vの採用情報、英Arm社のビジネスモデルと業績、台湾や中国、インドなどアジア地域政府の半導体政策、日本の半導体産業の解説、米Googleが進める半導体開発のオープン化などを盛り込む。2024年1月に開催されたRISC-V Dayの参加者に配布された。2023年11月に発表されたラピダスと加テンストレントとの提携を取り上げるなど、かなり新しい情報までをカバーしている点は評価できる。
        
 残念なのは編集者の目配りが十分でないところ。執筆者によって内容にバラつきがあるのは仕方がないが、パンフレットレベルやマニュアルレベル、自動翻訳レベルのコンテンツが含まれるのは頂けない。同じ文章が3回も続く箇所があるのは、どういったことだろうか。他では見かけない一味違った情報が含まれている書だけに残念である。
          
 主要書店、通販サイトでも購入可能とするが、この書評執筆時時点で購入可能なのはソハコ店舗のみ(https://sohacoinc.square.site/)で、Amazonではヒットしない。ちなみに評者は本書に少し関わっていることを断っておく。

書籍情報

日本の半導体戦略と電子地政学2024を読む

田胡治之編、ソハコ出版局、p.311、¥1500

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。