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横田英史の読書コーナー

後藤新平の台湾〜人類もまた生物の一つなり〜

渡辺利夫、中公選書

2021.12.8  2:56 pm

 台湾総督や初代満鉄総裁、内務大臣、外務大臣、東京市長などを務めた後藤新平の評伝。関東大震災から東京を復興させた、東京市長時代の都市計画の見事さは有名である。開発経済学者の筆者は、後藤新平が最も充実していたと言われる、台湾総督府の民政長官としての8年半あまりに焦点を当てて詳述する。政治指導者におけるリーダーシップとは何かを知ることができる書である。
      
 後藤は、信じる「生物の原理」に基づいて行政を行い、衛生事業、インフラ建設事業、南北縦貫鉄道の敷設、基隆の築港、土地調査、脱アヘンのための「阿片漸禁政策」「阿片専売制度」、人材の登用などの政策を展開した。ちなみに生物の原理とは、人間の生の究極的な目的は「生理的円満」の確保にあるというものである。

書籍情報

後藤新平の台湾〜人類もまた生物の一つなり〜

渡辺利夫、中公選書、p.230、¥1760

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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