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横田英史の読書コーナー

闇の盾〜政界・警察・芸能界の守り神と呼ばれた男〜

寺尾文孝、講談社

2021.9.18  11:31 am

 ドラマに出てくるような、警察権力を使った「もみ消し」「隠蔽」「圧力」の数々を、警察OBが自らの経験に基づいて綴った書。実名で警察幹部や芸能関係者、実業家、政治家、労働運動家を告発する。このところ“重い”書籍が多かったので箸休め的に読み始めたが、エンターテインメントとして楽しめ一気に読み終えた。筆者は数々のエピソードを墓場までもっていくつもりだったが、大病を経て宗旨変えをし本書を執筆したと語る。
     
 登場人物は、バブル紳士・淑女たち(許永中、伊藤寿永光、高橋治則、池田保次、中江滋樹、尾上縫)、田中角栄、浜田幸一、中川一郎、則定衛、佐々淳行、周防郁雄、松崎明、小林旭、江本孟紀などと実に多彩。それぞれのエピソードについての記載は短く深さはないが、バブル期の話は別で出色の出来である。出会いのキッカケやバブルの泳ぎ方、バブル後の末路などのエピソードに紙面を割いており、面白く読める。検察に関するコメントや検察と政治との関係への言及も興味深い。
     
 筆者は警視庁に入庁し、機動隊などを経て秦野章参議院議員の私設秘書になった人物。現在は日本リスクコントロールと呼ぶ企業を設立し、権力者たちの不都合を闇から闇に葬ることを生業にしている。年会費は実に2000万円という。

書籍情報

闇の盾〜政界・警察・芸能界の守り神と呼ばれた男〜

寺尾文孝、講談社、p.354、¥1980

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。