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横田英史の読書コーナー

もうだまされない 新型コロナの大誤解

西村秀一、幻冬舎

2021.7.8  12:33 pm

 新型コロナによる不自由な生活が始まって1年半。そろそろニューノーマルの生活様式が定まって良さそうだが、いまだ迷走気味である。どう考えてもポンコツな行政は、科学的根拠に基づいた合理的な指針を出せずにいる。仕方がないので、呼吸器系ウイルス感染症、特にインフルエンザを専門にする著者の知見に期待して本書を購入。頭の整理には役立つ書である。参考として頭の隅に入れておくには悪くない。
   
 本書は、感染経路、空気感染を抑えるポイント(距離、接触時間など)、マスクの選び方、アクリル板によるパーティションの是非、手洗いやうがいの効果、テーブルや椅子、ドアノブの消毒の意味、どうすれば飲食店が営業できるか、PCR検査についての誤解などに言及する。評者の確証バイアスの可能性もあるが納得性は高い。

書籍情報

もうだまされない 新型コロナの大誤解

西村秀一、幻冬舎、p.224、¥1430

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。