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横田英史の読書コーナー

ソニー半導体の奇跡〜お荷物集団の逆転劇〜

斎藤端、東洋経済新報社

2021.3.21  10:09 am

 2019年に半導体売上が1兆円を超えたソニー。その売上の90%を占めるイメージセンサーの開発史と半導体事業の歴史を、元ソニー半導体事業本部長が紹介した書。CCDからCMOSへの転換、PlayStation 3のCellチップなど技術的な話題もあるが、本書の真価は筆者の上司から部下までの人物評がてんこ盛りで出てくるところだろう。
   
 さすがにディスる相手の実名は登場しないが、かなり際どい人物評もある。成果をあげたのに人事で評価されない技術者、退社してサムスンに転職する開発のエース、君子豹変を地で行く豪腕幹部など、いずこも変わらないサラリーマン(女性は出てこない)の悲哀が感じられる。
   
 本書には、井深、盛田、大賀、久夛良木、ストリンガー、平井などの歴代経営者だけでなく、技術者を中心にソニーマンが次々に登場する。難点は多すぎて頭が混乱すること。上下関係さえ、分かったようで分からない。組織改編や人事異動が多いこともあって、ソニーの半導体関係者や業務上の関係者でないととても整理できないだろう。

書籍情報

ソニー半導体の奇跡〜お荷物集団の逆転劇〜

斎藤端、東洋経済新報社、p.246、¥1760

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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