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横田英史の読書コーナー

そこに工場があるかぎり

小川洋子、集英社

2021.3.4  10:04 am

 「妊娠カレンダー」や「博士の愛した数式」などで知られる作家・小川洋子氏が工場見学をテーマにしたエッセイ。雑誌やWeb記事の再録かと思ったが、驚いたことに編集者と相談しながら取材先を決め、6つの工場を取材した描き下ろし。筆者の工場に対する愛が感じられる書に仕上がっている。
   
 流石だと思うのは文章の美しさと表現力である。とても勉強になる。見学したのは江崎グリコ(神戸にあるグリコピア神戸)といった大企業もあるが、残りの5社は知る人ぞ知る中堅・中小企業の工場である。個人的には、細い穴をあける専業メーカー「エストロラボ」と京都の「山口硝子製作所」の話が興味深かった。全編を通して、ゆったりとした時間が流れているのがとてもいい。

書籍情報

そこに工場があるかぎり

小川洋子、集英社、p.208、¥1540

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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