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横田英史の読書コーナー

小さなチーム、大きな仕事〜働き方の新スタンダード〜

ジェイソン・フリード、デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン、黒沢健二ほか・訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫

2020.12.30  2:23 pm

 ビジネスと企業経営の要諦を、米ベンチャー「37シグナルズ(現・ベースキャンプ)」の創設者と技術者が綴った書。原書「Rework」の出版は2010年だが、ビジネスの核心を突く内容で古さを感じさせない。評者の30年超のサラリーマン生活を振り返って、警句の数々にはいちいち納得がいく。ET&IoT Digitalの講演で経済産業省の和泉室長が薦めていた理由が分かる。
   
 本書の特徴は、常識や忖度、世間のしがらみをぶっ飛ばし、本音ベースで語っているところ。「失敗から学ぶな」「長期のビジネスプランは幻想」「完璧なタイミングは決して到来しない」「会議は有害」「大げさに反応しない〜規則とはそんなに起こらない状況に会社が大げさに反応した傷痕だ〜」「プレスリリースはスパム」「履歴書はばかばかしい」「徹夜厳禁」といった具合だ。
   
 筆者の語り口は歯切れがよく、読んでいると背中を押されているようで心が軽くなる。優れた翻訳もあってとても読みやすい。一つのエピソードが数ページで読み切りなので、ちょっとした時間を見つけて少しずつ読み進むのがお薦めだ。

書籍情報

小さなチーム、大きな仕事〜働き方の新スタンダード〜

ジェイソン・フリード、デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン、黒沢健二ほか・訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、p.263、¥704

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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