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横田英史の読書コーナー

国道16号線〜「日本」を創った道〜

柳瀬博一、新潮社

2020.12.11  12:14 pm

 関東圏をぐるりと環状に取り囲む全長330kmの国道16号線に焦点を当て、日本文化論を展開した書。多彩な資料を縦横に駆使しながら、日本の文化と文明の発展に国道16号線が重要な役割を果たしたことを明らかにする。日経BPの元記者で、現在は東京工業大学教授の筆者の軽妙な筆致もあって、楽しく読み進むことができる。BP在籍当時から異彩を発揮していたが、本書はその才能が遺憾なく発揮されている。こういう見方もあるのか気づきのある書である。
   
 取り扱う話題は豊富だ。旧石器時代、縄文時代に始まり、源頼朝、太田道灌、徳川家康、後藤新平、はてはユーミンまで取り上げる。人々が暮らす上で好都合な小流域と呼ぶ地形が、旧石器時代から国道16号線周辺に人をひきつけた。さらに養蚕業や機織業などを抱え、日本の殖産興業にとって重要な輸出産業を抱える地域となった。戦後の日本文化にとって重要だったのは、国道16号線沿いの米軍基地の存在である。音楽や映画、ファッションに大きな影響を与えたという。

書籍情報

国道16号線〜「日本」を創った道〜

柳瀬博一、新潮社、p.232、¥2074

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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