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横田英史の読書コーナー

現場力

光山博敏、中沢孝夫、ちくま新書

2020.7.8  11:37 am

 本書の帯にある「日本だから勝てるものづくりの形がここにある」から予想できるように、日本の現場の礼賛本。米国やドイツと比較し、日本の現場は「国民性や社会通念上の複雑性といった部分で異質であるゆえに、どれだけ資源を投入しても模倣は困難」と主張する。刮目するべき議論があるのかと思い購入したが、ありがちな議論で期待はずれだった。視野とカバー範囲が狭くバランスに少々欠ける。

 筆者らは「IoTやAI、インダストリー4.0を虚報にまみれた言葉。日本の産業界は、重要なものを見落としている」とするが、説得力はいま一歩である。現場への取材を数多くこなしているようだが活かしきれていない。「設備内製力が安定した経営につながる」など、論じていること自体に間違いはないだけに残念である。

書籍情報

現場力

光山博敏、中沢孝夫、ちくま新書、p.219、¥880

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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