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横田英史の読書コーナー

Winny 天才プログラマー金子勇との7年半

壇 俊光、インプレスR&D

2020.4.26  5:58 pm

 Winny事件で被告人側の弁護士だった筆者による裁判記。大阪人らしい軽いノリの本だが、ファイル共有/P2Pソフト「Winny」に絡む著作権法違反裁判の概要を知ることができる。本書を読むと、改めて馬鹿げた裁判だったことがよく分かる。2019年4月にNHKスペシャル「第8回 情報革命」で金子が取り上げられたので、Winny事件に興味をもった方がいらっしゃるかもしれない。そういった方に向く書である。

 村井純の証言や支援金の話、NHK京都支局の記者の暴走、検察や警察のITに対する無知ぶりなどのエピソードは興味深い。惜しいのは、裁判の背景や法的ポイントについての書き込みが不足しているところ。もう少し丁寧に書き込んでいれば、価値が高まっていたのに残念である。小説ということになっているが、どこがフィクションなのか判然としない。ノンフィクションとしても、フィクションとしても、かなり粗い。編集者の手をもう少し入れるべきだっただろう。

書籍情報

Winny 天才プログラマー金子勇との7年半

壇 俊光、インプレスR&D、p.174、¥1980

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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