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横田英史の読書コーナー

ディープテック〜世界の未来を切り拓く「眠れる技術」〜

丸幸弘、尾原和啓、日経BP社

2019.11.14  1:15 pm

 成長を忘れてしまい元気のない日本企業への応援歌とも言える書。最先端技術を追うのではなく東南アジアに目を向けるべきだと説く。東南アジアをはじめとする新興国には地域特有の問題があり、日本企業の眠れる“枯れた”技術を活用すればそれらを解決できると主張する。ちなみにタイトルのDeepTech(ディープテック)とは、「テクノロジーを使い、根深い課題(ディープイシュー)を解決していく考え方もしくは活動」を意味する。

 気づきの多い書である。ディープテックの事例が豊富で説得力がある。インドネシアやフィリピン、ベトナム、タイ、マレーシアといった東南アジアで開かれたピッチイベントのファイナリストの一覧表も、各国の問題意識が垣間見え有益だ。読み始めたときは文字間が空き、行間も広い体裁を見て内容の薄さを予感させられたが、読み進めると予想は覆される。いい意味で裏切られた書である。

書籍情報

ディープテック〜世界の未来を切り拓く「眠れる技術」〜

丸幸弘、尾原和啓、日経BP社、p.184、¥1980

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。