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横田英史の読書コーナー

トコトンやさしい組込みシステムの本

坂巻佳壽美、日刊工業新聞社

2019.8.9  9:56 am

 組込みシステムとは何か、開発はどのように進めるのか、開発時の留意点は何か、などのついて解説した書。この書評で取り上げた「組込みエンジニアの教科書」よりも、ずっと初歩的な層向けである。筆者は評者よりも少し先輩だが、テーマ選定や内容から見える筆者のこだわりは評者にはよく理解できる。テーマ選定のバランスが良いので、組込みシステムビジネスに関係するが現場と縁遠い方が読むと役立ちそうだ。


 本書はマイコン誕生(4004、80系vs68系)、マイコンボードやデジタル回路の基礎、組込みシステムにおけるハードとソフトの切り分け、組込みシステム設計の手法と実務、組込みシステムの信頼性とセキュリティなどをカバーする。設計実務では、リアルタイムOSやデバッグ、クロス開発環境、ノイズ試験などに言及している。

書籍情報

トコトンやさしい組込みシステムの本

坂巻佳壽美、日刊工業新聞社、p.160、¥1620

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。