予防医療に携わる内科医が、日本人には日本人に適した健康法があると指摘し、正しいガン・生活習慣病予防法を伝授した新書。具体的には糖尿病、高血圧、脂質異常と動脈硬化、がん(胃がん、大腸がん、乳がん)にならないための方法を詳説する。欧米人と同じ健康法を取り入れても意味がなく、むしろ逆効果だと断じる。科学的データに基づいた最新の知見を使って論じており説得力に富む。健康を気にしている EIS 読者の方々にお薦めの1冊である。
筆者は「ヨーグルトで腸をきれいに」「牛乳でカルシウムをしっかり補給」「心臓病予防に赤ワイン」といった健康法を都市伝説とする(体質には個人差があるので有効なケースもありえる)。喫煙や飲酒、運動不足といったよく知られた生活習慣の問題のほか、日本人は「炭水化物を控えてはいけない」「オリーブオイルを摂りすぎると生活習慣病に」「筋トレをしても、やせ体質になれない」などといった、健康にまつわる勘違いの数々を紹介する。
書籍情報
欧米人とはこんなに違った日本人の「体質」~科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防~
奥田昌子、ブルーバックス、p.240、¥972