SOLUTION
STマイクロエレクトロニクス、車載 / スマート・デバイス向けアプリケーションに適した次世代UWB技術を発表
2026.3.17 6:55 pm

新製品ST64UWBファミリは、IEEE 802.15.4zおよび今後普及が見込まれるIEEE 802.15.4ab UWB標準規格に準拠し、マルチミリ秒単位(MMS)の測距や狭帯域無線アシスト(NBA)に対応する業界初の完全統合型UWBソリューション
-2026.3.17発表-
STマイクロエレクトロニクスは、最大数百メートル離れた場所にある機器の測位とトラッキングを可能にする次世代無線標準規格を包括的にサポートするUWB(Ultra-WideBand:超広帯域)チップ「ST64UWBファミリ」を発表しました。
同製品は、拡張された測距範囲に加え、優れた処理能力と堅牢性を備え、セキュアなデジタル・アクセス制御、目的物の存在と動作の検知、そして高精度の接近検知など、車載機器/コンスーマ機器/産業機器における新たな応用分野を切り拓くとともに、既存のユースケースを強化します。
STの測距・コネクティビティ事業部ジェネラル・マネージャーであるRias Al-Kadiは、次のようにコメントしています。
「今回発表されたST64UWBファミリは、狭帯域無線アシストなど最新のUWB仕様であるIEEE 802.15.4abに対応した業界初のシステム・オン・チップで、超高精度の測距機能と検知機能を備えています。車載機器やコンスーマ機器、および産業機器向けにカスタマイズされており、次世代のUWBユースケースに対応できる強力なプラットフォームとなります。」

新たな標準規格であるIEEE 802.15.4abは、車両に接近するとロックが解除される今日の自動車用ハンズフリー型デジタル・キーに用いられている、IEEE 802.15.4zのUWB無線技術がベースとなっています。
IEEE 802.15.4abでは、マルチミリ秒単位の測距技術と狭帯域無線アシストにより実現された新たな技術的強化により、測距範囲の拡大や、バッグや後ろポケットに入れた機器との接続性が強化され、近距離での方向検知が可能となり、ユーザの動作をより正確に判断できるようになります。
また、レーダー・モードも強化され、車室内の子供置き去り検知(CPD)などのユースケースの機能向上にもつながります。CPDは人命救助につながる機能であり、車両安全評価に関わる独立機関であるEuro NCAPにより導入が推奨されています。
現在、ST64UWBファミリは主要車載機器メーカーに対してサンプルを提供中です。
IEEE 802.15.4abおよびST64UWBが重要な理由
ABI Research社のシニア・リサーチ・ディレクターであるAndrew Zignani氏は、次のようにコメントしています。
「IEEE 802.15.4abは次世代UWBの根幹となるもので、当社は、2030年までにUWB搭載車両の大半がこの新規格に移行すると予測しています。その際、同規格に準拠したスマートフォンが急速かつ大量に普及し、活用されることになるでしょう。また同規格はIEEE 802.15.4zとの後方互換性があるため、産業界は既存の機器に影響を及ぼすことなく強化機能を迅速に導入しながら、価値ある新たなユーザ体験やサービスをさまざまなエンド・マーケットへ届けることができます。」
Forvia Hella社の自動車アクセスHW D&Dチーム責任者であるDaniel Siekmann氏は、次のようにコメントしています。
「IEEE 802.15.4abは、デジタル・キー・システムの一部としての次世代キー・フォブ(クルマの電子キー)を実現する基盤になります。測距範囲は802.15.4zの8倍を超え、NLOS(見通し外)での接続性も大幅に向上するため、後ろポケットやバッグに入れたキー・フォブでも信頼性の高い通信が可能になります。また、802.15.4zとの後方互換性があるため、従来のHF/LF(高周波・低周波)キー・フォブを最新のUWBアーキテクチャに置き換える際に実用的な移行パスを設定できます。STの新たなST64UWBチップにより、この移行がさらに進むでしょう。」
Marquardt社の製品ライン技術エキスパートであるBernd Bär氏は、次のようにコメントしています。
「IEEE 802.15.4abについては、特にスマートフォンを後ろポケットに入れた状態でもUWB通信の接続性が格段に改善する点を高く評価しています。同時に、既存のIEEE 802.15.4zエコシステムとの後方互換性を維持しながら、厳しい国際認証の制限範囲内での動作が可能となるため、UWBシステムの適用範囲が大幅に拡大します。」
Nuki Home Solutions社の最高イノベーション責任者であるJürgen Pansi氏は、次のようにコメントしています。
「Nukiは過去10年にわたり、ヨーロッパにおけるスマート・ロック分野の確立と発展に貢献してきました。UWBは、高精度のハンズフリー型ロック解除機能を実現する革新的な技術であると確信しています。当社はSTと協力し、ST64UWBを使用することで、IEEE 802.15.4ab標準規格がAliroとUWBの可能性をヨーロッパ地域にもたらすことを示しています。」
詳細情報
今回発表されたSoCの3製品(ST64UWB-A100、ST64UWB-A500、ST64UWB-C100)は、18nm FD-SOIプロセスで製造されます。18nm FD-SOIプロセスは、通常のバルクCMOS技術よりもリンク・バジェット(すべての信号経路での利得と損失を評価する手法)が約3dB高く、IEEE 802.15.4ab標準規格により得られる利得から、さらに約50%も広い測距範囲を実現します。
ST64UWB-Aシリーズは車載機器向けに設計されており、デジタル・キーや高精度の車両位置測位などの用途に対応するST64UWB-A100より提供が開始されます。
ST64UWB-A100は、Arm® Cortex®-M85プロセッサを搭載し、ASIL A(またはB)の自動車安全要件を満たしています。また、ST64UWB-A500は、AIアクセラレーションとデジタル信号処理機能を搭載しており、エッジAIを利用したレーダー・アプリケーションに対応します。
例えば、子供置き去り検知(CPD)やキック動作の検出、さらに車外向けユースケース(駐車センサ、レーダーベースの車両監視モードなど)に対応します。
これらのレーダー機能は、新たな15.4abのKaiserパルス波形と、UWBチャネル11の1.3GHz帯域幅拡張により、従来の500 MHz帯域幅と比較して解像度を2倍に向上させます。
ST64UWB-C100は、Arm Cortex-M85プロセッサコアを搭載し、オフィス機器/コンスーマ機器を対象としています。次世代スマートロック規格のAliroとの完全準拠によってクラス最高レベルのハンズフリーおよびタップ不要のユーザ体験を可能にします。
STは次世代UWBの普及促進に努めており、UWBスタック(PHY / MAC)やレーダー・ツールボックス、開発ボード、アンテナのリファレンス設計、車載 / コンスーマ市場に対応したアプリケーション事例など、包括的な開発キットを提供しています。
製品仕様および802.15.4ab技術の詳細
https://www.st.com/content/st_com/en/campaigns/st64uwb-ieee-802-15-4ab-uwb-ranging-radar-system-on-chip-z34.html
STマイクロエレクトロニクス
http://www.st.com
























