横田英史の読書コーナー
みんなで考えるAIとバイオテクノロジーの未来社会
冨田勝、かんき出版
2022.6.17 5:56 pm
「慶応大学湘南藤沢キャンパスの名物授業の書籍化」と銘打たれた書。AIとバイオテクノロジーの面白さや奥深さ、正しい解釈の仕方について初学者向けに解説する。大学生向けとしては優しすぎる感があるが、AIとバイオテクノロジーに興味をもってもらうための導入としては悪くない。架空の学生との対話形式で書かれた平易な文章は、短い時間で読み通すことができる。ちょっとしたスキマ時間にリラックスして読むのも悪くない。
著者は本書の目的を「20年後の将来ビジョンを養成する」と語る。未来の社会の抱える様々な問題について、科学的・倫理的・哲学的な視点から議論をすすめる。技術の詳細に入り込むことよりも、AIとバイオテクノロジーのエッセンスを抽出し俯瞰的なセンスを養うことに重点が置かれている。
「ゲノムと生命倫理」「これからのジェンダー論」「ヒトクローン技術の倫理」といった社会や倫理に目を向けているのも評価できる。例えばゲノム解析の結果を教育や子育てにどこまで活用すべきかと言ったところに議論を展開する。「これからのジェンダー論」も刮目すべき内容である。著者は、米カーネギーメロン大学でAI研究を手掛け、帰国後はバイオテクノロジーの研究者に転身した冨田勝。かつてビールのCMに登場していたのを記憶している方もいるかもしれない。
書籍情報
みんなで考えるAIとバイオテクノロジーの未来社会
冨田勝、かんき出版、p.216、¥1540

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)
1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。
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