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横田英史の読書コーナー

2075 次世代AIで甦る日本経済

岩田一政、日本経済研究センター、日経BP 日本経済新聞出版

2025.12.18  9:50 am

 今から半世紀後の2075年の日本が、経済面で一流国から二流国、三流国に転落することを阻止するための処方箋を提示した考察した書。民間シンクタンクらしくデータを駆使しながら、分かりやすく議論を展開する。頭の整理に役立つ。それにしても変化の激しい時代に50年後を予測するとは大胆不敵だが、提案内容は煎じ詰めれば「汎用AIで頑張れ」「移民受け入れで頑張れ」と実に平凡である。現時点で容易に想像できる範囲の提言にとどまる。残念だが刮目して見るべき内容に乏しい。
     
 本書は「改革シナリオ」と「標準シナリオ」で2075年の日本経済を予測する。改革シナリオでは、労働時間の削減(週休4日)や教育への公的支出拡大などによって出生率が回復し、日本の出生率は1.3程度になる。AIの活用で、2050年代以降の人口は1.13億人を維持する。
     
 またジョブ型雇用の普及や教育年数の上昇などによって人的資本が拡大する。スタートアップの増加や対内直接投資の増加などによって産業構造の変革をもたらす。汎用AGIの活用によって生産性は大幅に上昇し、GDPは世界4位を維持し、一人当たりGDPの順位も25位へと上昇する。

書籍情報

2075 次世代AIで甦る日本経済

岩田一政、日本経済研究センター、日経BP 日本経済新聞出版、p.272、¥3080

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。