横田英史の読書コーナー
経営理念が現場の心に火をつける
伊丹敬之、日経BP 日本経済新聞出版
2024.12.10 1:13 pm
本田宗一郎や小倉昌男、ラリー・ページ、稲盛和夫、ジェフ・ベゾス、松下幸之助の言葉や行動を題材に、経営戦略の要諦を論じた書。「いい戦略+いい理念=素晴らしい経営」だとする。手練れの経営学者だけに手際よく経営戦略や経営哲学を論じている。頭の整理には役立ちそうだが、文献からの情報に頼った論考は心に響かない。タイトルに「現場の心に火をつける」とあるが、本書から現場の匂いがしないのは残念である。
経営者は自分の経営哲学を持ち、組織と共有できる経営理念を育むことに努めなければならない。そうして現場の心に火がつくことを目指す。これは「素晴らしい経営」を実現するあるべき姿だとする。経営理念の共有によって、①個々のメンバーのモチベーションが上がる、②メンバー間の協力や調査委がしやすくなる、③メンバー間の共感という心理的なエネルギーを高める、といった効果が期待できる。仰ることは正しいが、綺麗ごと過ぎて物足りなさを感じるのは評者だけだろうか。
書籍情報
経営理念が現場の心に火をつける
伊丹敬之、日経BP 日本経済新聞出版、p.280、¥2200

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)
1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。
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