Electronics Information Service

組込みシステム技術者向け
オンライン・マガジン

MENU

オムニビジョン、車載用ADAS市場に向けたBSI技術採用のCMOSイメージセンサとHDRコンパニオンプロセッサの新製品を発表

2014.5.13  4:06 pm

業界最高水準の低照度感度とHDRを実現した高品質映像を提供

CMOSイメージングソリューション開発大手OmniVision Technologies, Inc. の日本支社であるオムニビジョン・テクノロジーズ・ジャパン(以下、オムニビジョン)は5月12日、都内において新製品となるCMOSイメージセンサ「OV10640」とHDRコンパニオンプロセッサ「OV490」の発表を行った。

OV10640は、自動車業界向けとしては初となる裏面照射(BSI)技術を採用、業界最高水準の感度と最大120dBのHDR性能を、HDRコンパニオンプロセッサは高品質の画像処理を可能にする。
CMOSイメージセンサは、拡大する次世代の先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance System)市場での重要な部品と位置づけられるもので、市場への多大な貢献が期待される。


バックボーンとなっている4つのピクセル技術

近況を紹介する薄井明英日本支社長

米カリフォルニア州に本拠を構えるOmniVision Technologies, Inc. は、1995年にCMOSイメージングソリューションの開発・販売メーカーとして設立、これまで累計で46億台超の出荷実績をあげている。
2013年は1日あたりの出荷台数が225万台にも上っている。

オムニビジョンの製品開発を支える技術と言えるのがピクセル技術だ。
立ち上げ当初から展開するFSI(表面照射型)、2008年に投入したOmniBSI(TM)、2(裏面照射型)、第三世代と位置付ける裏面照射型のPureCel(TM)という4つのピクセル技術を展開する。
薄井明英・日本支社長は「パフォーマンスなどそれぞれで異なる点はあるが、各ピクセルが備える長所を生かしながら、全ピクセルを使い製品開発を進めている。特に、ということでは、2013年に立ち上げたPureCelは2000万画素からそれ以上のハイレゾリューション対応製品を大量生産できる」と話す。


新製品ではニーズが拡大する車載分野にターゲットを絞る

オムニビジョンがターゲットとする市場は、モバイル端末やカメラ・ビデオなどのデジタル製品、エンターテインメント分野のコンシューマ市場から、セキュリティ、LCOS(マイクロプロジェクション・マイクロディスプレイなど)、メディカル、オートモティブといったジャンルだ。
そうしたなか、薄井社長は「1台の車にはたくさんのカメラニーズがある。急速に需要が拡大する傾向にあって、オムニビジョンとしてもっとも望まれるカメラのソリューションをつくること。そのなかでADASは非常に重要なカテゴリと捉えている」と、車載分野にターゲットを絞った今回の新製品の意図を述べる。

ターゲットとする市場は、2020年には3倍強となる予測が立っている。(出典:テクノシステムリサーチ、OmniVision独自調査)


独自のHDR技術で合成のブレを低減

新製品を紹介する福田英寿シニアFAE

先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance System)は、例えば車が障害物に衝突しないようにブレーキを掛ける、前を走る車と一定の距離を保ちながら追随走行する、といったことが自動化されたシステム。
そのためには走行する車周辺の状況を正確に把握することが必要だが、その手段の一つとしてカメラが用いられる。

ADASに向けてはビューカメラにセンシング機能を取り込んで生かす流れがあるなか、さらに感度を上げる、ダイナミックレンジを広げる、ということが求められるが、「OV10640とOV490は、その要求に応えるために開発した」(福田英寿シニアFAE)。


今回の新製品の特長は以下となる。

OV10640は、車載向けでは初めてOmniBSIを採用した。そして、独自の技術を駆使したHDRピクセル技術を搭載したという。
「従来のHDRは、明るい映像と暗い映像を撮影して合成することで実現しているが、それだと時間差が出たり撮影するタイミングが異なる。そのため、走行中の撮影映像はブレたりゴーストのようなものが見えてしまう。弊社独自のHDRは、そうした不自然さが起き難い技術」と福田シニアFAEは説明する。

Non-HDR(上下とも左)と比較すると、太陽逆光下、夜道での対向車のヘッドライトが当たるシーンでも、多くの映像情報が確保できていることがわかる。
また、実際の画像の感度を比較するデモも披露された。中央に新製品による画像を示し、従来製品との感度の違いを示した。(左は説明する椿雅博シニアFAE)

どちらも6月にサンプル出荷の予定で、今年度第4四半期には、量産を開始する計画としている。

急成長する市場には、体がグンと成長したときの骨の軋みのように、課題が表面化することがあるが、ADAS市場においてはオムニビジョンの技術に、課題解決に向けての期待が高まりそうだ。
(樋口泰光)

OmniVision Technologies, Inc.
http://www.ovt.com/

配信広告
配信広告