TOPPERS、車載制御システム向け高品質プラットフォーム開発の新コンソーシアムが始動

AUTOSAR仕様ベースのプラットフォームを共同開発、参加20企業でスタート

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発表する高田広章TOPPERSプロジェクト会長

TOPPERSプロジェクトが4月、新たなコンソーシアムを始動した。
「車載制御システム向け高品質プラットフォームに関するコンソーシアム型共同研究」(以下、AP(Automotive Platform)コンソーシアム)がそれで、AUTOSAR仕様をベースとして、車載制御システム向けソフトウェアプラットフォーム(SPF)に関する研究開発を行う。
「AUTOSAR仕様ベースのRTOSおよびSPFとして、グローバルトップ3の一角を目指す」(高田広章・TOPPERSプロジェクト会長)。

 

以下、5月14日に行われた発表会から内容を紹介する。

 

「ATK2コンソーシアム」を継承しSPFの研究開発を展開
APコンソーシアムは、2011年度から3年間実施してきた「次世代車載システム向けRTOSの仕様検討及び開発に関するコンソーシアム型共同研究」(以下、ATK2コンソーシアム)を継承するプロジェクトとなるもの。

 

ATK2コンソーシアムでは、AUTOSAR仕様(リリース4.0.3)をベースとした、リアルタイムOS TOPPERS/ATK2、CAN通信スタック TOPPERS/A-COMSTACK、RTE(Runtime Environment)ジェネレータ TOPPERS/A-RTEGENを開発してきており、各SPFはこの3月26日から無償配布されている。

 

形態となる「コンソーシアム型共同研究」とは、名古屋大学 大学院情報科学研究科 附属組込みシステム研究センター(略称NCES、センター長・高田広章)が設定した研究開発テーマに対し、複数の企業の参加を得て研究・開発を進める共同研究を言う。
参加企業は単年度ごとの実施契約とし、APコンソーシアムは3年ほどの継続実施を予定している。

 

採用広まるAUTOSARにある課題解決へ
APコンソーシアム始動の背景には、AUTOSAR採用が広がるにつれ顕在化する、国内の開発状況への課題がある。
機能安全への対応が後付で非効率、マルチコアへの対応が不十分、曖昧さや不整合さが残り完成度が低いといった、現状でのAUTOSARの技術的課題もある。
それに加え、AUTOSAR仕様のSPFが海外に優位性があることだ。

特に欧州のソフトウェア企業は、100人以上の技術者を抱えSPF開発を行っており、日本でマネのできる開発企業はそうは見つからない。

実際、AUTOSARを採用している日本の自動車部品メーカーからは、品質レベルで劣る点や費用の高さに加え、欧州の開発エンジニアとのやり取りとなるサポート面で苦慮することが問題として語られている。

 

このまま車載制御システム向けのSPFが海外企業による寡占状態になると、こうした問題の増幅は避けられず、海外に優位性があるまま自動車産業の“ものづくり力”の低下を招きかねない。

 

そうした現状を受け、APコンソーシアムで研究開発を進めるSPFは、
 ・AUTOSARに見る問題を解決し、日本の自動車産業のニーズに合致した、

  軽量で高品質なSPF
 ・開発するSPFを、グローバルに有力な車載制御システム向けSPFの

  トップ3のひとつとなることを目指す
との目標を掲げている。

 

“トップ3”というのは、「有力なOSやSPFは、グローバルには3つ程度しか残らない」ということからで、つまりは海外の寡占状態にストップをかけるという意味合いがある。

 

「機能安全規格対応」など初年度の研究開発は4項目

APコンソーシアムの2014年度の研究開発項目は、
 ・ TOPPERS/ATK2の機能安全規格対応
 ・ 時間パーティショニング機能の検討・開発
 ・ BSWモジュールの開発
 ・ RTEジェネレータの拡張とインテグレーション
の4項目としている。

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活動開始時点での参加企業は、次の自動車部品メーカー、ソフトベンダなど20社となっている。(50音順) ※(ⅰ)は部分参加、(ⅱ)はオブザーバ参加

 

  アイシン・コムクルーズ(株)
  イーソル(株) ⅰ
  (株)ヴィッツ
  (株)永和システムマネジメント ⅱ
  (株)OTSL ⅱ
  オムロン オートモーティブエレクトロニクス(株) ⅱ
  (株)サニー技研
  スズキ(株)
  (株)デンソー ⅰ
  (株)東海理化電機製作所 ⅰ
  (株)東芝
  (株)豊田自動織機
  (株)豊通エレクトロニクス ⅱ
  パナソニック(株) ⅱ
  パナソニック アドバンストテクノロジー(株)
  富士通テン(株)
  富士ソフト(株)
  ルネサス エレクトロニクス(株)
  矢崎総業(株)
  菱電商事(株) ⅱ

 

参加メリットは、主には次の4点となる。
 ・ 自由に改変できるプラットフォームの獲得
 ・ 開発成果物の無償利用権
 ・ AUTOSARに関する知験の獲得
 ・ 技術者育成

 

TOPPERSプロジェクト・高田会長は「オープンなソースコードで自由に改変できるAUTOSARプラットフォームを自社で持てることは一番のメリットになるだろう。加えてソフトウェア開発企業にとってはAUTOSAR、および開発したソフトウェア技術に精通した技術者育成につながる。スキルを自社に持ち帰ることで、今後AUTOSARや開発したソフトウェアのサポートビジネスが可能になる」とする。

 

ATK2コンソーシアムの成果も、そろそろATK2による開発事例を持つ自動車が市場に登場してくるほどに具体化してきたところ。後継となるAPコンソーシアムの今後の成果にも注目していきたい。
(樋口泰光)

 

APコンソーシアムは、途中からの参加も可能となっている。問い合わせは下記まで。

 

■問い合わせ先

名古屋大学 大学院情報科学研究科 附属組込みシステム研究センター
〒464-8601 名古屋市千種区不老町C3-2 名古屋大学 情報基盤センター1F
TEL.052-789-4228 FAX.052-789-4237
Email nces-office@nces.is.nagoya-u.ac.jp

 

NPO法人 TOPPERSプロジェクト
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町1-8-12 東実年金会館8F 一般社団法人組込みシステム技術協会内
TEL&FAX.03-3865-5616
Email secretariat@toppers.jp

 

■TOPPERSプロジェクト

http://toppers.jp/

 

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