2017年5月9日 プレスリリース

京都マイクロコンピュータが提案する新開発プラットフォーム第二弾「LIQUID」を発表

組込みLinux アプリケーション開発を、より身近なWindows環境で

 

京都マイクロコンピュータ株式会社(以下KMC と記載)は、Linux アプリケーション開発プラットフォーム「LIQUID」を新規に提供することを発表します。LIQUID は、Linux アプリケーション開発において、身近なWindows 環境ですぐにアプリケーション開発、そしてソースコード解析やバグ自動検出などができる開発プラットフォームです。
また、LIQUID は、RTOS 向けソフトウェア開発プラットフォーム「SOLID」に続く、KMC の新開発プラットフォーム製品の第二弾となります。

 


・新製品投入の背景と目的

 

マルチコアプロセッサに代表されるシステムLSI の高機能化・高性能化が進むにつれ、組込み機器においてもPC 並みのCPUパワーを利用できるようになってきました。そして現在ハイエンドの組込み機器用に最も幅広く利用されている代表的なOSがLinuxです。

KMCでは 2003年以来、組込みLinux のデバッグ環境としてJTAG デバッガのPARTNER-Jet/Jet2のご提供を通じて、組込みLinux システムを開発するエンジニアの方々が、開発現場でどのようなご苦労をされているのかといった点にも多く接してきました。以前よりもより複雑で大規模になるLinux アプリケーション開発の中で、アプリケーション開発者の方々がLinux開発環境の操作を新たに習得しなければいけない事も課題となっていることが分かりました。
それを解決する一つのご提案が、今回KMC が発表するLIQUIDです。

 


・新製品の概要

 

ソフトウェア開発プラットフォームLIQUIDは、Windows PC上で動作する統合開発環境と、GCC、LLVM/Clangコンパイラから構成されます。

LIQUIDはオープンソース仕様のLinux カーネルを基盤としており、既存のLinuxアプリケーションSDKを活用し、それに弊社が提供する開発環境を組み合わせます。そのため、既にアプリケーションSDKが存在する環境であれば、LIQUID導入の準備は大きくありません。LIQUID-IDEとしては、Microsoft Visual StudioをベースにKMCが独自に開発した統合開発環境で、エディタやビルダーそしてモニタデバッガが含まれています。

 

LIQUID-IDEにはGCCの他に、ARM 標準コンパイラであるARM Compiler 6でも採用されたLLVM/Clang コンパイラを採用しました。LIQUIDでは、LIQUIDOSにデバッグ支援用のデバッグデーモンを常駐し、LIQUID-IDE に含まれるClnagコンパイラの持つ充実した解析機能を連携させることにより代表的な動的解析機能であるアドレスサニタイザ機能などを利用できるようになっています。スタック破壊などの実行時エラー検出機能や、ソースコードの静的解析機能など、豊富なデバッグ・解析支援機能を持つことを特徴としています。

kmc_20170509

 

このようにLIQUIDは、Linuxアプリケーション開発を目的としていながら、ユーザーによるLinuxアプリケーション開発を身近で慣れているWindowsPC上のIDEで行うことができ、豊富な解析機能やデバッグ機能を利用することでアプリケーションの開発に集中できる仕様になっています。組込みLinuxのアプリケーション開発においては、いわゆる”printf デバッグ”での開発が多かったのですが、LIQUIDでは使い易いWindwos上のIDE により、ソースコードデバッグ,実行解析が簡単になり、開発期間の短縮を実現することを目的としています。

 


・製品提供形態

 

LIQUID の対象は、ARMおよび、x86プロセッサ搭載の組込みLinuxシステムです。お客様の組込みLinux環境のSDK と、弊社開発環境を合わせて専用的に提供する予定をしております。また、LIQUID 開発プラットフォームを多くのエンジニアの方々に、より気軽にご利用いただけるよう、ルネサス エレクトロニクス社製の二種類のR-Carスターターキット(R-Car M3搭載 R-CarスターターキットPro、R-Car H3搭載 R-Car スターターキットPremier)用のLIQUID も提供する予定です。

 

R-Carスターターキット用LIQUIDは、LIQUID付属のmicro SDカードをボードに挿入するだけですぐにLinuxカーネルが起動し、Windows PC側のLIQUID-IDEから制御可能な状態にセットアップが完了する、大変使いやすい構成になっています。

 


・LIQUIDリリースに向けて

 

昨年弊社が発表し本年6月より販売開始するRTOSベースの開発プラットフォームSOLIDと同様、LIQUID開発プラットフォームでは、アプリケーションエンジニアの方々の開発のしやすさ、を目標に設計しています。多くのアプリケーションが組込み機器の可能性を広げられるよう、LIQUID がエンジニアの皆様の創造性発揮を強力に支援いたします。なお、SOLIDのリリースは2017年度中を予定しています。

 

 

ルネサス エレクトロニクス 第一ソリューション事業本部 シニアエキスパート 吉田正康 氏

「コネクテッドカーの拡大に向けて、車載情報システムのアプリケーションの高付加価値化と多様化が求められてきています。このたび発表されたLIQUID とルネサスのR-Car Starter Kit スタータキットの組み合わせは、Linux 環境におけるアプリケーションの開発を簡素化することで、ソフトウェア開発者の裾野をひろげ、その中から新しいクルマの価値を生み出すアプリケーションが生まれることが期待されます。」

 

京都マイクロコンピュータ株式会社 LIQUID 担当 株式会社KMG 代表取締役社長 辻 邦彦

「RTOSベースの組込みシステム向け開発プラットフォーム「SOLID」に続き、Linuxアプリケーション開発環境の「LIQUID」を開発して提供することになりました。弊社では2003 年以来、Linux システムのデバッグについては、JTAGでのデバッグを始め、非常に多く取り組み、また、多くの組込みLinux 開発のお客様に利用していただきました。組込みLinuxの多くのお客様に提供することで、お客様のLinux開発における難しさなども伺ってきました。そのようなLinux開発の難しさを、このLIQUIDで少しでも簡単にでき、そして組込みLinux 開発が加速することを期待しております。これからの組込みLinuxデバッグ・開発環境の進化に取り組んでまいります。」

 


■京都マイクロコンピュータ株式会社
http://www.kmckk.co.jp/

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