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日本の携帯行政を司る総務省の課長が、携帯市場の現状と今後の方向について役所の考えを示した書。官僚らしく手堅い内容で、携帯市場を概観するうえでは役立つ。SIMロックや FON、フェムトセル、MVNO といった話題は網羅してあるので入門書としては悪くない。 逆に言えば、携帯市場についてある程度の知識がある人には驚きが少なく知的満足度の低い書である。評者は、後で参照できるように付箋を貼り傍線を引きながら本を読むが、本書には1本も傍線を引かずに終わってしまった。
本書を一言で言えば、キャリアが携帯市場のビジネスモデルを決め、携帯電話の機能やサービス内容に大きな発言権をもつ垂直統合型は時代遅れ。そんなことをやっているから世界の潮流に乗れなかった。だからパソコンやインターネットと同じように、水平分散型への移行やオープン化が不可欠というもの。いずれも昔から言われていることで新味はない。
そもそも日本の携帯市場を“ガラパゴス”状態にした責任は行政に一端があると思うのだが、その反省は本書からは読み取れない。もちろん 、むかし電電公社、いまNTT や行政に頼り切ってアイデアが出ない民間企業も、負けず劣らず調子が悪いが・・・。
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