小学館の創立85周年記念「日本の歴史」の最終巻にやっとたどり着いた。今回は1955年から現代までをカバーする。高度経済成長からバブルを経て閉塞感漂う現代という期間は、評者の人生とほぼ合致する。それだけに興味深く本を開いたが、期待はずれだった。
もっとも、自分が生きてきた時代を振り返る上では有用である。55年体制、原水爆禁止運動、高度経済成長、1億総中流、公害、ニュータウン、沖縄返還、三里塚、ポスト冷戦などなど。物心がつく前の話もあるが、多くは「そんなこともあったなぁ」と懐かしい。1955年で出生数の増大で人口が拡大する時代が終わり、長寿化によって人口が増大する時代の幕が開けたなど、へぇ〜という話もけっこうある。
期待はずれだったのは、この全集を貫く「庶民の生活や文化に注目。人びとを鮮やかに活写」というポリシーから、本書が少々外れていることが大きい。政治的視点からのトピックスを多く詰め込みすぎて、市井の生活が描き切れていない。筆者の政治信条が前面に出ている感じである。しかも踏み込みが足りない記述が多く読後感はよくない。
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