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横田英史の読書コーナー

好奇心が未来をつくる〜ソニーCSL研究員が妄想する人類のこれから〜

ソニーコンピュータサイエンス研究所、祥伝社

2019.5.17  12:03 pm

 ソニーの100%子会社として1988年に設立されたソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)に在籍する研究者集団が語る、「今とこれからの研究と技術」「今考えていること」「人類と技術の未来」などなど。研究分野はAIや脳科学、農業、健康医療、音楽と神経科学の融合など多種多様。コンピュータ・サイエンスから遠いテーマもあるが、人類の未来のためという問題意識は共通する。

 最先端の研究に携わる面々のコメントは、「人間がテクノロジーに適応して進化する」「テクノロジーで人間の知覚は変容できるのか」「テクノロジーを作ることは未来の人類を発明すること」「意識のメカニズムを解明することによって、創造性を最大化する」などけっこう刺激的である。AIの北野宏明(所長)や人間拡張の暦本純一、脳科学の茂木健一郎などの有名人も登場するが、彼ら以外の研究者の話も「こんな問題意識や研究もあるんだ」とユニークで興味深い。

書籍情報

好奇心が未来をつくる〜ソニーCSL研究員が妄想する人類のこれから〜

ソニーコンピュータサイエンス研究所、祥伝社、p.410、¥2484

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。