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横田英史の読書コーナー

3Mで学んだニューロマネジメント

大久保 孝俊、日経BP社

2018.9.5  10:00 am

 「感情は論理よりも強し」。この持論に基づき、脳科学の知見をマネジメントに活かす管理手法を3Mにおける経験をベースに説いたビジネス書である。科学的な視点から人間の本質を知り、組織や人間のモチベーションを高める方法を具体的に論じている。評者は脳科学に興味をもっているが、それをマネジメントの活用するという発想はなかった。筆者の目の付け所はなかなかである。

 本書のカバーするのは、人間のマネジメントをどのように設計するか、組織のマネジメントをどのように設計するか、個の資質をどのように設計するか、人を動かすリーダーを育成するマネジメントなどである。イノベーションとは何かから説き起こし、イノベーションを創出させるマネジメント、イノベーションを育む企業(組織)文化を構築する仕組み、イノベーションに強い人材の育成について言及する。

書籍情報

3Mで学んだニューロマネジメント

大久保 孝俊、日経BP社、p.448、¥2700

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。