データサイエンス入門

竹村彰通、岩波新書

 国内初のデータサイエンス学部を2017年4月に創設した滋賀大学教授によるデータサイエンスの啓蒙書。データサイエンスの果たす役割や内容について、数学的な細部に入り込まずにさまざまな切り口から解説する。大学の先生らしく、データサイエンスのスキルの磨き方についても言及している。広く、浅くという啓蒙書らしい内容だが、その分だけEIS読者に皆さんには物足りないかもしれない。ちなみに横浜市立大学がデータサイエンス学部をこの4月に開設している。


 筆者はビッグデータの時代的背景にはじまり、データとは何か、データに語らせるとは何かなどについて、統計学の話を交えながら議論を展開する。データサイエンティストに求められるのはデータ自体に語らせる能力だという。もっともデータに語らせることは重要だが、語らせすぎることには注意が必要だと釘を刺す。データに基づく意思決定は、経験と勘に基づく意思決定を補完するものと位置づける。

 

 データサイエンスとは第4の科学という視点は興味深い。自然を経験的に理解する研究が第1の科学、理論と実験を組み合わせるのが第2、現実の現象をコンピュータでシミュレーションするのが第3とする。そしてビッグデータから新たなか科学的発見を見出す研究が第4のサイエンスという訳だ。

書籍情報

データサイエンス入門

竹村彰通、岩波新書、p.192、¥821

横田 英史 (yokota@nikkeibp.co.jp)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。
日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現IT Pro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。
2003年3月発行人を兼務。2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。
その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月から日経BPコンサルティング取締役、2016年3月から日経BPソリューションズ代表取締役社長を兼務。2018年3月退任。2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所グリーンテックラボ主席研究員、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組み込み制御、知的財産権、環境 問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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