宇宙ビジネスの衝撃〜21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ〜

大貫美鈴、ダイヤモンド社

 JAXA出身のコンサルタントが、宇宙ビジネスの現状と将来を論じた書。深みに欠ける面はあるが、うまく現状が整理されている。情報が多いとはいえない宇宙ビジネスをざっと捉えるのには便利である。技術やビジネスのフロンティアを知るために一読するのもいいだろう。宇宙ビジネスの市場規模は2005年の17兆円が2016年には33兆円と2倍に拡大。ベンチャーへの投資額も2015年に2500億円と前年の5倍に達したという。


 テスラやアマゾン、フェースブック、グーグルといったシリコンバレーのIT企業、イーロン・マスクやジェフ・ベゾスといったIT企業の経営者がなぜ宇宙に入れ込むのか、筆者はその背景を解説する。IT企業にとって宇宙はインターネットの延長だと筆者は位置づける。宇宙にもネットワークを張り巡らせることで、「地球のビッグデータ」の入手をねらう。IoTやAIの今後の展開の対象として宇宙を考える訳だ。ちなみにIT業界のスタイルがロケット開発に持ち込まれたことによって、ロケットの製造の効率化が図られ、宇宙ビジネスの拡大につながったとする。


 筆者は、製造業やサービス産業、流通業、医療といった切り口で、宇宙ビジネスが変える産業構造や社会について解説するとともに、宇宙旅行や火星への移住、小惑星での希少鉱物資源の開発についての計画の数々に言及する。

書籍情報

宇宙ビジネスの衝撃〜21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ〜

大貫美鈴、ダイヤモンド社、p.264、¥1728

横田 英史 (yokota@nikkeibp.co.jp)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。
日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現IT Pro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。
2003年3月発行人を兼務。2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。
その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月から日経BPコンサルティング取締役、2016年3月から日経BPソリューションズ代表取締役社長を兼務。2018年3月退任。2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所グリーンテックラボ主席研究員、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組み込み制御、知的財産権、環境 問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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