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横田英史の読書コーナー

サボタージュ・マニュアル〜諜報活動が照らす組織経営の本質〜

米国戦略諜報局(OSS)、越智啓太・監訳、国重浩一・訳、北大路書房

2018.5.31  9:48 am

 スキルマネージメント協会(SMA)の大原理事長が薦める本として、JASAの研究会で取り上げられた書籍。CIAの前身である米国戦略諜報局(OSS)が作成した「組織をダメにする」ためのマニュアルである。小賢しい人間が跋扈して組織をダメにする様子が目に見えるようだ。全体でも128ページとコンパクトだが、心理学者が執筆した冒頭の解説だけを読んでも十分に役立つ。ちょっとした空き時間に読み進むのがお薦めである。

 一見すると正論で論破できない理屈で組織を硬直化・官僚化させる“技”の数々を披露する。「形式的な手順を過度に重視せよ」「規則を隅々まで適用せよ」「重要な仕事をするときには会議を開け」など、「あるある」と思わず膝を打つアドバイスが並ぶ。

書籍情報

サボタージュ・マニュアル〜諜報活動が照らす組織経営の本質〜

米国戦略諜報局(OSS)、越智啓太・監訳、国重浩一・訳、北大路書房、p.128、¥1512

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。