老いぼれ記者魂〜青山学院春木教授事件四十五年目の結末〜

早瀬圭一、幻戯書房

 青山学院大学法学部で1973年に起こった、春木猛教授の教え子への暴行事件の真相に、元毎日新聞(現在は客員編集委員)が45年をかけて迫った書。決定証拠をつかんだわけでなく、状況証拠と心証に基づく論理構成のため迫力は今一歩だが、足を使った丹念な取材の成果であることは間違いない。当時の状況を詳細に把握し、春木教授への有罪判決の不可解さ、冤罪の可能性を明らかにする。隔靴掻痒の感があるのは残念だが、筆者の執念と熱意は十分の伝わってくる力作である。


 青学における派閥争いを伺わせる背景や、事件の鍵を握る人物として地上げの帝王と言われた最上恒産・早坂太吉氏が出てくるなど、バブル期に向かう当時の雰囲気が漂ってくる。筆者だけではなく、この事件を同様に置い続けたジャーナリストが何人も存在することにも脅かされる。疑い深いジャーナリストの関心をひく特異な事件だったということだろう。

書籍情報

老いぼれ記者魂〜青山学院春木教授事件四十五年目の結末〜

早瀬圭一、幻戯書房、p.273、¥2592

横田 英史 (yokota@nikkeibp.co.jp)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。
日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現IT Pro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。
2003年3月発行人を兼務。2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。
その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月から日経BPコンサルティング取締役、2016年3月から日経BPソリューションズ代表取締役社長を兼務。2018年3月退任。2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所グリーンテックラボ主席研究員、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組み込み制御、知的財産権、環境 問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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