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横田英史の読書コーナー

いちばんやさしい機械学習プロジェクトの教本〜人気講師が教える仕事にAIを導入する方法〜

韮原祐介、インプレス

2018.5.5  10:16 am

 人工知能(AI)をビジネスに導入する上での基礎的なノウハウを紹介した書。AIが喧伝される時代背景、機械学習や深層学習の仕組みについての一般的な技術解説、AIプロジェクトに必要なリソースと組むべき体制、スケジュールの立て方、導入の手順、投資対効果(ROI)の試算法、外部パートナーの選び方、費用の目安、契約形態、具体例といった項目が並ぶ。AIについてはある程度知っているが、ビジネス展開については疎い評者のような人間にとって、頭の整理に役立つ。

 AIをビジネスの現場で使うために最低限知っておくべきポイントをコンパクトに押さえているところがいい。目のさめるような指摘がある訳ではないが、各トピックを図版を使いながら数ページで簡潔に説明しており読みやすい。組み込み技術者にとって遠い存在だったAIがかなり身近になっており、ビジネスとして向き合う前に読んで損はない1冊である。

書籍情報

いちばんやさしい機械学習プロジェクトの教本〜人気講師が教える仕事にAIを導入する方法〜

韮原祐介、インプレス、p.208、¥1944

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。