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横田英史の読書コーナー

テヘランから来た男~西田厚聰と東芝壊滅~

児玉博、小学館

2017.12.18  10:43 am

 東芝瓦解の戦犯の一人と言われ、12月初旬に亡くなった西田厚聰・元社長へのインタビューが本書の最大の売りである。西田の自宅で行った最後のインタビューは2017年10月5日で、亡くなる2カ月ほど前だ。インタビューの内容には賛否がありそうだが生前の貴重な証言なのは間違いない。本書のなかインタビューが占める部分はそれほど大きくないが、毀誉褒貶の激しかった西田の人となり、人間の強さと弱さがよく出ていて読み応えがある。ウェスティングハウスの買収や後継者指名などの経営判断についてのコメントも興味深い。東芝問題に関心がある方が読んで損のない1冊である。

書籍情報

テヘランから来た男~西田厚聰と東芝壊滅~

児玉博、小学館、p.300、¥1620

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。