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横田英史の読書コーナー

思考の整理学

外山 滋比古、ちくま文庫

2017.11.17  1:56 pm

 筆者が実践している情報整理の仕方や発想法、会話術、読書法、ノートやメモのとり方などを伝授した書。アイデアを寝かすことやアナロジーの大切さを説く。本書が上梓されたのは30年以上も前の1983年だが、古さを感じさせない。むしろ世の中を見る目の確かさを感じさせる。秀抜な内容で東大や京大の生協で頻繁にベストセラーになっていることが納得できる。

 基本は若い人向けだが、評者のような情報に囲まれた環境で仕事をしている人間にも納得感と役立ち感がある。洒脱で読みやすい文章なので、読み終えるまでさほど時間はかからない。多くの方にお薦めできる良書である。

書籍情報

思考の整理学

外山 滋比古、ちくま文庫、p.223、¥562

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。