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横田英史の読書コーナー

海の地政学~海軍提督が語る歴史と戦略~

ジェイムズ・スタヴリディス、北川知子・訳

2017.11.15  1:55 pm

 太平洋、大西洋、インド洋、南シナ海といった海洋の観点から米国と日韓欧が採るべき政治・外交・軍事戦略を論じた書。南シナ海に進出する中国やミサイル開発を進める北朝鮮への対応など最新の話題もカバーしている。筆者は NATO軍最高司令官を務めた米国海軍大将。ギリシア・ローマ時代、マゼランやコロンブスの探検といった海洋史を踏まえ、自らの海軍でのエピソードを交えながら持論を展開する。

 北極海やカリブ海、地中海における紛争など、寡聞して知らない話を多く紹介しており知見を広める上で役に立つ。例えば「21世紀に入り注目すべきはインド洋」「紛争の海に逆戻りした地中海」「米国、ロシア、カナダ、ノルウェー、デンマークが角突き合わせる北極海」など読み応えがある。ハードパワー(戦闘)とソフトパワー(災害救援、医療援助、外交)をバランス良く用いるスマートパワーが重要と説く。

書籍情報

海の地政学~海軍提督が語る歴史と戦略~

ジェイムズ・スタヴリディス、北川知子・訳、p.328、早川書房、¥3104

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。