リベラルという病

山口真由、新潮新書

 この書評で取り上げた「実験国家 アメリカの履歴書」が学術的な米国論とすれば、本書はカジュアルな生活感や肌感覚が伝わってくる米国論。米国におけるリベラルとコンサバ(保守)の思想、行動パターンを解説する。何となく使っている「リベラル」という言葉の意味を教えてくれる書である。とりわけトランプ大統領を生んだ背景と、トランプ登場を受けたリベラルとコンサバの歩み寄りと言った今後の展開についての考察は興味深い。米国社会の在り方を知る上で貴重な情報を提供してくれる1冊である。

 

 筆者はリベラルを宗教だと断じる。リベラルは法律を拡大解釈する傾向にあり、目的が崇高なら法律の読み方に多少無理が生じても良いと考える存在である。背景には、賢い我々は愚かな大衆に優位するというエリート主義があり、自らの信じるところと異なる「異端」を吊し上げ、批判し、石を投げ、政治的に抹殺するのがリベラルだと指摘する。このほか米国におけるリベラルとコンサバの対立を政治や司法、宗教観や家族観、差別といった切り口で紹介する。最後の章では、欧米とは似て非なる日本のリベラルの奇妙さを取り上げる。

書籍情報

リベラルという病

山口真由、新潮新書、p.224、¥821

 

横田 英史 (yokota@nikkeibp.co.jp)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。
日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現IT Pro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。
2003年3月発行人を兼務。2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役に就任。現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組み込み制御、知的財産権、環境 問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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