《推薦!》アマゾノミクス~データ・サイエンティストはこう考える~

アンドレアス・ワイガンド、土方奈美・訳、文藝春秋

 米 Amazon の元チーフ・サイエンティストが、Amazon やFacebook、Google といった米国の巨大データ企業が行っているデータ利活用の現状と今後、最新の研究動向、ユーザー視点に立った在るべき姿を論じた書。興味深い内容が満載である。IoT や自動運転、スマートスピーカーといった旬の話題にも触れている。EIS の読者の皆さんにお薦めの1冊である。

 

 21世紀における最大の資源というべき“データ”の利活用について示唆に富む内容にあふれており役立ち感がある。例えば出会い系のサイトにおけるデータの価値はユーザーのプロフィールよりもクリックの痕跡にある、ユーザーのプロファイリングよりもソーシャルグラフの方が融資や保険の契約に際しては有用といったトピックを数多く取り上げる。

 

 筆者は、個人の意思決定をデータ企業に委ねてはならないと警鐘を鳴らす。データ企業に振り回されるのではなく、個人の利益になるように自らが主体性をもってデータに関わるべきだというのが著者の主張である。プライバシーの問題については、過去のルールが今後も我々を守ってくれるという幻想を捨て、今日の現状と未来の可能性を踏まえた新しいルールを定めた方が良いと強調する。

 

 筆者は、個人がデータに対して主体的にかかわるために必要となる4つの権利を挙げる。データを修正する権利、データをぼかす権利、データの設定を変更する権利、データをポート(データ企業のデータベースから読み出したり、データ企業のデータベースに書き込む)する権利である。

書籍情報

アマゾノミクス~データ・サイエンティストはこう考える~

アンドレアス・ワイガンド、土方奈美・訳、文藝春秋、p.397、¥1944

 

横田 英史 (yokota@nikkeibp.co.jp)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。
日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現IT Pro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。
2003年3月発行人を兼務。2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。
その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月から日経BPコンサルティング取締役、2016年3月から日経BPソリューションズ代表取締役社長を兼務。2018年3月退任。2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所グリーンテックラボ主席研究員、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組み込み制御、知的財産権、環境 問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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