かくて行動経済学は生まれり

マイケル・ルイス、渡会圭子・訳、文藝春秋

 人間は合理的に行動するという前提に立つ経済学を否定した「行動経済学」を打ち立てたエイモス・トヴェルスキーとダニエル・カーネマンの評伝。「ライアーズ・ポーカー」「マネー・ボール」「フラッシュ・ボーイズ」で知られるノンフィクション作家マイケル・ルイスの書だが、本書はこれまでの知的興奮をかきたてる作品群と趣が違う。どちらかと言うと淡々とした筆致で、ノーベル経済賞を受賞した行動経済学はどのような過程を経て生まれたのか、トヴェルスキーとカーネマンの出会いと友情、別離、ユダヤ人である二人の生い立ちなど辿る。ワクワク感は従来の作品に比べて低いが、貴重な情報が詰まった書に仕上がっている。

 

 人間の非合理性を説く行動経済学について要所で丁寧に説明しているので、初学者でも読み通せるので心配ない。この書評でも取り上げたカーネマンの著書「ファスト&スロー」と併せて読むのも悪くない。

書籍情報

かくて行動経済学は生まれり

マイケル・ルイス、渡会圭子・訳、文藝春秋、p.429、¥1944

 

横田 英史 (yokota@nikkeibp.co.jp)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。
日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現IT Pro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。
2003年3月発行人を兼務。2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役に就任。現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組み込み制御、知的財産権、環境 問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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