実験国家 アメリカの履歴書 第2版~社会・文化・歴史にみる統合と多元化の軌跡~

鈴木透、慶應義塾大学出版会

 筆者が慶應義塾大学日吉キャンパスで行っている講義「地域文化論 I 」の内容をベースにした米国論。米国の政治、経済、法律、芸術(建築)、文化、社会、宗教などを、植民地時代から21世紀までの歴史的背景を踏まえて分析する。多くの批判にさらされながらもトランプ旋風がいまも吹き荒れる、日本人に不可思議な米国を理解する上での基礎知識を得ることができる好著である。

 

 筆者は、現実を自分たちに都合のいいように歪曲し、独断的な物語を突き進んでしまう米国社会の傾向を歴史を追いながら明らかにする。またプロテスタントの価値観を絶対視する立場は、プロテスタント以外の宗派や宗教を否定する方向性を持っており、WASP 以外の人を排除する動きと容易に結びつくという。

 

 現在の米国については、「自己中心主義の殻の中で分断されており、不信と分断の負の連鎖に陥り自滅を続ける国家」であるとともに、「実験国家としての色彩が濃く、実験の失敗を新たな推進力に変えてきた精神は完全には廃れていない」と分析する。

書籍情報

実験国家 アメリカの履歴書 第2版~社会・文化・歴史にみる統合と多元化の軌跡~

鈴木透、慶應義塾大学出版会、 p.264、¥2700

 

横田 英史 (yokota@nikkeibp.co.jp)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。
日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現IT Pro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。
2003年3月発行人を兼務。2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役に就任。現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組み込み制御、知的財産権、環境 問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

プレスリリース ヘッドライン

» アーカイブ一覧

相互リンクを大募集中

E.I.Sでは、組込み技術・エレクトロニクス分野に関連するサイト・ブログとの相互リンクを大募集中です。個人で運用されているブログも大歓迎いたします。

相互リンク募集ページ

運 営

株式会社ピーアンドピービューロゥ

〒102-0092
東京都千代田区隼町3-19 清水ビル6F
TEL.03-3261-8981 FAX.03-3261-8983