二人で一人の天才

ジョシュア・ウルフ・シェンク、矢羽野薫・訳、英治出版

 二人組に注目し、クリエーティブな仕事やイノベーションはどのような過程を経て生まれるのかを分析した書。登場する二人組は実に多彩。ジョン・レノンとポール・マッカートニー、スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアック、ビル・ゲイツとスティーブ・バルマー、盛田昭夫と井深大、投資家のウォーレン・バフェットとチャーリー・マンガー、DNA2重らせん構造を発見したジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックなどなど。

 評者の感覚で二人組というと、ジョブズとウォズニアック、ゲイツとバルマーがすぐに頭に浮かび購入したが、この意味では期待はずれだった。考えれば当たり前だが、ジョンとポールなど一般に知名度が高い二人組に多くのページを割いている。取り上げている二人組が多いために、個々の物語が希釈化されているのは少し残念である。

 著者はクリエーティブな人間関係を、邂逅、融合、弁証、距離、絶頂、中断の6つのステップに分けてで分析する(イマイチわかりづらい訳語だが)。ここでいう融合とは、互いに刺激し合う段階を超えて本物のペアになるステップ。弁証とは二人の役割が発展し、最適な位置関係が決まる段階、距離とは、二人が距離を縮めるとともに、それぞれ独自のアイデアや経験を育む距離を十分に確保する段階である。

書籍情報

二人で一人の天才

ジョシュア・ウルフ・シェンク、矢羽野薫・訳、英治出版、p.384、¥2484

 

 

横田 英史 (yokota@nikkeibp.co.jp)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。
日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現IT Pro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。
2003年3月発行人を兼務。2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。
その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月から日経BPコンサルティング取締役、2016年3月から日経BPソリューションズ代表取締役社長を兼務。2018年3月退任。2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所グリーンテックラボ主席研究員、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組み込み制御、知的財産権、環境 問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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