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横田英史の読書コーナー

東芝 大裏面史

FACTA編集部、文藝春秋

2017.6.18  9:43 am

 評者も愛読している予約購読制の月刊誌 FACTA が負い続けた東芝裏面史。現在の惨憺たる状況に東芝を陥った背景を知ることができる書である。

 OB が暗躍し歪められたトップ人事、人事抗争の数々、トップ同士の嫉妬、財界トップをめぐる暗闘、M&A の失敗、減損回避するためのあの手この手、粉飾決算など読みどころ満載である。調査報道を得意とする FACTA らしさがよく出ている。東芝だけではなく、政府や経済産業省、東京電力、三菱重工、日立製作所などが複雑に絡み合った原発行政の問題点も明らかにする。

書籍情報

東芝 大裏面史

FACTA編集部、文藝春秋、p.263、¥1620

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。