東芝解体~電機メーカーが消える日~

大西 康之、講談社現代新書

 東芝を軸に、NEC、シャープ、ソニー、パナソニック、日立製作所、三菱電機、富士通を取り上げ日本の電機メーカーの置かれた状況を分析した書。特段新しい話がある訳ではないが、よくまとまっている。太平洋戦争の日本軍を分析した『失敗の本質』を下敷きにした分析は納得感がある。EIS の読者の方々には既知かもしれないが、頭の整理には役立つ。

 

 筆者が挙げる国内電機メーカーの問題点は、“ミルク”補給をしてくれるパトロンの存在である。電電公社(NTT)だったり、電力会社は国策のもと国内電機メーカーの庇護者であり続けた。副業で負けても本業は安泰という考え方が甘えの構造を生み、経営判断を誤らせたというのが筆者の見立てである。

 

 電機メーカーそれぞれに1章を充てて解説している。主な見出しは以下の通りである。東芝のメインタイトルは「電力ファミリーの正妻」は解体へ。サブは待ち受ける”廃炉会社”への道。NEC はメインタイトルが「電電ファミリーの長兄」も墜落寸前、サブは「 通信自由化時代30年を無策で過ごした」。パナソニックのメインタイトルは立ちすくむ巨人、サブは「『車載電池』『住宅』の次に目指すもの」である。富士通のメインタイトルは「進取の気性を失い、既得権にしがみつく」で、サブは「コンピュータの雄も今は昔」といった具合だ。

書籍情報

東芝解体~電機メーカーが消える日~

大西 康之、講談社現代新書、p.272、¥864

 

 

 

横田 英史 (yokota@nikkeibp.co.jp)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。
日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現IT Pro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。
2003年3月発行人を兼務。2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役に就任。現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組み込み制御、知的財産権、環境 問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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